源氏物語を楽しもう‼️

源氏物語の魅力を目一杯伝えたいブログ

2019-01-01から1年間の記事一覧

胡蝶2 恋文の点検

衣替えの季節になると、玉鬘への恋文が多く届けられるようになりました。源氏の君は自ら恋文を点検して、どんな人が玉鬘に求婚しているのかチェックします。 まず、源氏の君の異母弟、蛍宮(ほたるのみや)。源氏の君とは仲良くしている弟宮です。この年にな…

胡蝶(こちょう)1 桜、ほほえむ、春の御殿

旧暦三月の二十日ごろ、春は終わりに近いのに、六条院の春の御殿はまだまだ花盛りで、鳥もさえずっています。せっかくのよい景色なので、池に舟を浮かべてみんなで楽しもうということになりました。 (今さら気がついたのですが、人が載れる舟を浮かべられる…

初音2 光源氏の懐の深さ

お正月の騒ぎが一段落したある日、源氏の君は二条院の東の院を訪れ、ここに住まわせている女性たちに会います。 ここに住んでいるのは、末摘花(すえつむはな)や空蝉(うつせみ)といった女性たち。みんな、昔源氏の君と関わりがあった女性です。 末摘花は…

初音(はつね)1 新年の六条院

この巻から、六条院の一年の様子が描かれていきます。玉鬘をめぐる話も続いていきます。ちなみに、暦は旧暦なので、この時代の一月は現代の二月です。 新年を迎えた六条院。うららかに空は晴れて、雪の間から若草が顔を出し、木の芽も芽吹いて穏やかなお正月…

玉鬘7 白と紫の衣装

年末になり、源氏の君は女性たちの正月用の衣装を選んでいます。紫の上は興味しんしんで見ています。 「ちゃんと着る方の顔を思い浮かべて選んでください。似合わない衣装を送られては気の毒ですわ」 「...ははーん、さては、送る衣装の色合いを見て、着る人…

玉鬘6 ちょっぴり複雑

源氏の君は右近に、玉鬘への手紙を言付けます。玉鬘は複雑な思いです。 「実の親からの手紙だったら、どんなにか嬉しかっただろう。知らない人のお世話になるなんて...」それでも右近たちに諭されて返事は書きました。 一方、源氏の君は紫の上に玉鬘との関係…

玉鬘5 事は慎重に運ばねば

久しぶりに六条院に出仕した右近。紫の上から「久しぶりね。こちらへいらっしゃいな」と呼ばれました。女房たちが沢山いる中、とりわけ気にかけて下さるのを右近は嬉しく思います。 源氏の君もやってきて「ひとり者が若返ったように見えるけど、里帰りの間に…

玉鬘4 再会

とりあえず、都のはしっこの九条にいた知り合いの家に仮住まいすることになった玉鬘たち。でも、これからどうしよう... こういう困った時、当時の人が頼ったのが神様仏様。 でも、現代のパワースポット巡りの感覚とは違います。「すがる」というのが近いでし…

玉鬘3 なかなか都に帰れない...

こうして大宰府で暮らすことになった玉鬘。世間には「乳母の孫で、由緒ある人」ということになっています。 六年の勤めが終わってさあ都へ帰ろうとなった頃、乳母の夫が病で急死してしまいます。遺言で息子たちに「自分の葬儀などいいから、とにかく姫様を都…

玉鬘2 まずは復習から

年月は経ちましたが、源氏の君は夕顔を忘れることはありませんでした。 夕顔の女房で、今は源氏の屋敷で仕える右近も「夕顔さまが生きていらしたら、こちらの六条院へお引っ越しされていたかもしれないのに」と残念に思います... と、このように始まる玉鬘の…

玉鬘(たまかずら)1 考察・なぜこの娘(こ)が今登場?

さてさて、今回からが玉鬘(たまかずら)という女性が登場します。 源氏が愛した夕顔の娘で、父親は内大臣(ないだいじん)です。 実はわたくし、昔からこの女の子の登場に「?」と思っていました。 夕顔の話はかなり前のこと。源氏物語では18年も前のことな…

少女7 謎の建造物、六条院完成

何かと苦労の多い夕霧ですが、年明け二月に朱雀院を訪れた際に素晴らしい漢詩を披露したことで、秋の人事で五位をいただきました。 そして、秋には源氏一家に大きなイベントが。 中宮の亡き母、六条御息所(ろくじょうのみやすどころ)の屋敷を含めた広大な…

少女6 誰からの恋文だ!なに、相手は...

年末のお祭りでは、舞姫を五人宮中に差し上げています。巻名の少女(おとめ)は、この舞姫を指しています。 今年は源氏の君も一人お世話することになっていて、源氏の君は乳母子の惟光(これみつ)の娘を舞姫に選びました。 支度のため二条院に舞姫が来てい…

少女5 仲を引き裂かれた恋人たち

二日後、内大臣は再び大宮の元を訪れます。母親に、娘をしっかり見ていなかったことを非難します。 「いとこ同士で結婚なんて、低い身分の者でもよくあること。そんな結婚は夕霧にとっても不都合です」と怒りをぶちまけます。乳母たちも監督が行き届いていな…

少女4 うわさ話はこわいもの

「賢い方と思っていたけど、全然知らないのねぇ」 「今にとんでもないことが分かるわよ」 「雲井雁さまと夕霧さまがいい仲だってのは、みんな知ってるのにね」 「知らぬは親ばかりとは言ったものだわ」 な、何だと...!?立ち聞きしていた内大臣は驚きます。…

少女3 冷泉帝のお后決め

そろそろ冷泉帝も正式なお后を決めてもいい頃だということで、どなたを選ぶか世間では騒いでいます。選ばれたのは、源氏の君が後見する梅壺女御。女御は秋がお好きなので、秋好中宮(あきこのむちゅうぐう)と呼ばれます。 世間の人は「中宮様は母君と違って…

少女2 息子よ、苦労の味を知っとけ!

源氏の君の息子、夕霧(ゆうぎり)が元服の年を迎えました。 元服すると位(くらい)をいただきます。夕霧だったら家柄から考えても四位はいただけるのでは、と世間は考えていました。が、いただけたのはなんと六位... 実は、五位と六位では雲泥の差がありま…

少女(おとめ)1 やっとあきらめがついたか...

新しい話が始まるかと思いきや、朝顔の君との後日談からです。 春になり、冷泉帝の母、藤壺の一周忌になりました。朝顔の君の父宮の一周忌も同じ頃なので、源氏の君はしきりに五の宮にお見舞いを送っています。 五の宮は朝顔の君に言います。 「あなたの父上…

朝顔4 紫の上、ほったらかしにされる

執拗に朝顔の君を訪ねたり、朝顔の女房を自邸に呼んだりするので、紫の上はほったらかしにされています。 朝顔様は親王家の生まれで、私より立場の上の方。もし結婚となれば、私は第一の妻ではなくなってしまう。夫はいままでのように私を大切に扱ってくれる…

朝顔3 恋愛に関心がないのか、オクテなのか

雪の季節になり、源氏の君はまた五の宮のお見舞いにかこつけて、朝顔の君を訪ねます。 「せめて一言、嫌だと直接おっしゃって下さい。そうすれば、あきらめがつきます」と源氏の君は説得しますが、朝顔の君の返事はなし。 本文には、朝顔の君が源氏の君を拒…

朝顔2 この時代の女性の現実

朝顔の君はつれないですが、源氏の君はあきらめられず、朝顔の君の女房を自邸によんで相談しています。 朝顔の君の女房たちにしても、朝顔と源氏が結婚してくれればと思っているはずです。 この時代、いくら身分の高い女性でも、経済的に支えてくれる親兄弟…

朝顔1 あきらめの悪い男、源氏

源氏の君のいとこで朝顔の君と呼ばれた姫君がいます。源氏の君は昔からこの姫君に手紙を送って想いを伝えていました。 しかし、朝顔は恋愛に関心のない方。それに、高貴な六条御息所が源氏の君の愛を受け入れた後は扱いが軽くなったと聞いて「私はそうはなり…

薄雲5 冷泉帝、自身の秘密を知る

天変地異に相次ぐ重要人物の死。これはあの事が原因ではないか。そう心配したのは源氏の君だけではありません。 それは藤壺の母親の代から使える僧。ある日、冷泉帝に秘密裏に申し上げました。 「黙っていてはかえって罪になる...母君藤壺様は帝を妊娠されて…

薄雲4 最後に伝えたかったこと

年が明けましたが、今年は太陽や月、星の光り方がおかしく、世の中も騒がしいことが多いです。現代なら天文ショーだと楽しく騒げますが、平安時代は不吉な事の前触れと恐れられていました。 源氏の君のしゅうとの太政大臣(だじょうだいじん)が亡くなられて…

薄雲3 母子の別れ

いよいよ姫君が引き取られる日がきました。いつもなら夫が来るのは嬉しいのですが、今日は辛いばかりです。源氏の君も、娘のためとはいえ明石の君に対して罪作りなことをしてしまうと思います。 姫君は無邪気に「お母さん、早く車に乗ろう」と言います。明石…

薄雲2 娘の将来を考える2

「源氏の君を信じて、あの子をあちらに渡しなさい。会えなくなるのは辛いけど、あの子の将来を考えなければなりません」尼君は言います。 「源氏の君は立派な方ですが、皇族を離れ臣下になられたのは、お母上が女御より下の更衣(こうい)だったからです。そ…

薄雲(うすぐも)1 娘の将来を考える1

この章は源氏物語の中でも大きな動きがある所です。 源氏の君は明石の君に都へくるよう言いますが、明石の君は渋っています。 「...それでは姫君だけでも都に来れないだろうか。紫の上も会いたいと言っています」 言う源氏も辛いけど、言われた明石の君はも…

松風7 あの子を育てて欲しい

「実はね、かわいい姫君に会って来たんだ」源氏の君は紫の上に話します。 「あの子をこちらで育てていただけないかな。小さい子に罪はない。あなたが憎たらしいと思っていなければの話だが」 「あら、私のことをそんなに嫉妬深いと思っていらっしゃるの。小…

松風6 紫の上はご機嫌ななめ

二条院に帰ってきた源氏の君。「いや~、風流ぶった奴らに引き留められてまいったよ」と言いますが、紫の上は機嫌を直しません。帰りが遅かったのは、明石の君に引き留められたからじゃないの、とでも言いたげです。 源氏は夕方に御所へ向かいますが、出かけ…

松風5 大騒ぎになっちゃった

二、三日大堰に滞在して、桂の御堂の事もあれこれ指示を出しました。 さて、今日は帰る日、なにやら外が騒がしい。 「昨日の美しい月を一緒に見れなかったのは残念しごく。今朝は霧をかき分けて参上しました」と宮中の人たちが集まっています。 あらら、こん…