源氏物語を楽しもう‼️

源氏物語の魅力を目一杯伝えたいブログ

2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

匂宮(におうのみや)1 光と影のある若者、薫

光源氏がこの世を去って、その評判を受け継いでいるのは、晩年に生まれた息子の薫と、光源氏の孫にあたる今上帝(きんじょうてい)の第三皇子で匂宮と呼ばれている方でした。 薫はたくさんの方から大切にされていました。 年の離れた兄の夕霧や、姉で今上帝…

雲隠(くもがくれ) 第二部の感想

雲隠。この巻は巻名のみで本文はありません。作者も元々内容を書かなかったと思われます。 雲隠とは、人の死を暗示する言葉です。つまり、これは光源氏の死を意味しています。 そう、源氏物語では、光源氏の出家後の話や死について、何も描かれていないので…

幻4 世俗との別れ

冬になって、源氏の君は身辺整理を始めます。年が明けたら出家するつもりなのです。 仕えている女房たちそれぞれに、それとなく「形見分け」をしています。年の瀬が近いのも加わって、女房たちは心細い思いです。 整理する品には、たくさんの手紙があります…

幻3 追悼の日々

衣替えの季節になりました。毎年紫の上が準備なさっていましたが、今年は他の夫人が用意してくださいます。こんなちょっとしたことでも、源氏の君は紫の上がいない悲しみを感じます。 五月雨が降るある日、息子の夕霧が訪ねてきました。 「早いもので、もう…

幻2 誰と会っても、慰めにならない

源氏の君は久しぶりに夫人のひとり、女三宮の所へ出かけます。 女三宮は出家していて、仏さまに仕える日々です。 庭の山吹が美しく咲いているのを源氏の君は 「山吹が華やかに咲いていますね。植えた人がいない春とも知らずに、今年は一段と美しく咲いている…