2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧
明石の君が上京したと連絡を受けた源氏の君。会いに出かけたいところですが、紫の上に黙って行くのもよくないと思い、紫の上においとま乞いをします。 「桂に建てている御堂のことで用事があるので出かけます。会うと約束している人も、あちらに来て待ってい…
父の明石の入道は、この地に留まります。幼い孫が「おじいちゃん」となついているのを見ると、もう会えないのが耐えられないと思います。僧が物事に執着してはいけないと分かっていますが... いよいよ出発となり、入道は娘に話します。 私は運がつたなく、こ…
源氏の君は住まいの二条院の東側に東の院を建てて、花散里や末摘花、空蝉たちを住まわせることにします。こちらに明石の君も住まわせる予定です。 明石には絶えず手紙を送り、その度に上京するようにと書いています。 でも明石の君は慎重になっています。「…
栄華の真っ只中にいる源氏の君ですが、密かに出家して僧になりたいと願っています。 昔から、若くして高い身分に昇った者は短命だった。これ栄華が続けば、命を縮めるかもしれない。冷泉帝がもう少し大人になったら出家したい。 そう思って、静かな山里に御…
三月二十日に、冷泉帝の御前で絵合が行われました。梅壺方は桜や藤をイメージした赤系の衣装、弘徽殿方は柳や山吹をイメージした青と黄色の衣装です。敷物や絵を入れた箱まで色調をそろえています。 前の絵合から十日ほどです。公式の宮廷行事ではないとはい…
出てきたのは、源氏の君が須磨で描いた風景画。当時を知らない人が見ても胸を打つ絵です。紫の上「どうして今まで見せてくださらなかったの?この絵が有れば、貴方を心配する気持ちが和らいだでしょう」と残念がります。 一方、葵の兄は、源氏の君も絵を集め…
絵合。これは左右に別れて絵を出しあい、優劣を競い合う遊びです。ほかにも和歌の優劣を競う歌合(うたあわせ)、貝殻の美しさや珍しさを競う貝合(かいあわせ)というのがあります。歌合には男女で恋の歌の優劣を競い合うものもあります。 六条御息所の娘は…
空蝉の弟は少年時代から源氏の君に仕えていましたが、源氏の君が須磨へ流された頃、世間の評判を気にして姉のいる常陸に逃げていました。 常陸から戻った後、再び源氏の君に仕えています。源氏の君はとやかく言うことはありませんでした。それでも、出世はさ…
今度は空蝉(うつせみ)のお話です。源氏の君に言いよられ、心を残しながらも自分は人妻と源氏の君を拒んだ女性です。 空蝉は、夫が常陸へ赴任することになり、彼女もいっしょに常陸へ行きました。その間に源氏の君は二年半を須磨と明石で過ごします。源氏の…
末摘花は話し相手もなく冬を過ごし、春を迎えました。 そして四月。 源氏の君は花散里(はなちるさと)の君を訪ねてお出かけの途中、花の香りに気がつきます。藤の花が松の木に咲きかかっていました。見覚えのある場所...ここって末摘花の屋敷だな。彼女はま…