源氏物語を楽しもう‼️

源氏物語の魅力を目一杯伝えたいブログ

2018-11-01から1ヶ月間の記事一覧

葵5 恥の上塗り

六条御息所はもう帰りたいと思いましたが、車は身動きできません。そこへ「行列が来たぞ」 源氏の君のまばゆい姿を見て、笑顔になる者や、拝んでいる者までいます。源氏の君は左大臣家の車に気がついて礼を正して行きます。お供の者もかしこまって通ります。…

葵4 車争い(くるまあらそい)

この車に乗っているのは六条御息所です。気分転換になるかと、お忍びで出かけていました。しかし、葵の上サイドは、この退かない車の主が誰か分かりました。(どうして分かったのか詳しくは書かれていません) 「退かないだと。そんなこと言わせないぞ」 「…

葵3 光源氏が見たい!

加茂神社の斎院は天皇が代わられたといっても交代しないこともありましたが、今回は交代されました。新しい斎院は朱雀帝の妹宮です。禊(みそぎ)の神事には源氏の君がお供することになりました。ちなみに、禊の様子を再現しているのが、現代の5月に行われ…

葵2 え、葵が妊娠、マジで!?

そうなんです。タイトル通り、葵が妊娠しました。 いや~、驚きです。この夫婦、仲がそんなにいいとは書かれていなかったので。源氏の君は体調が優れず心細い様子の葵をいとしく思っているようです。 私が初めて源氏物語を読んだ時は「ふーん」と思うくらい…

葵1 嘆きの六条御息所

帝は皇太子に位を譲り、朱雀帝(すざくてい)の時代となりました。帝はこれから院と、母の弘徽殿女御は弘徽殿大后(こきでんのおおきさき)とお呼びします。 源氏の君も位が上がり、軽々しく振る舞えない立場に。女性たちから通いが少ないと言われているよう…

花宴4 考察:朧月夜の君とは

花宴のお話は終わりましたが、今回はこの話に出てきた朧月夜の君について考えます。 源氏物語の漫画を読むと、朧月夜の君は「自分に正直」とか「決められた結婚ではなく恋に生きる女」とか、わりと肯定的に描かれています。 しかし、わたくし石山はどーーー…

花宴3 朧月夜の女の正体

旧暦3月20日過ぎ、右大臣家で藤の宴が行われます。右大臣家は普段源氏の君を目の敵にしていますが、今日は宴に花を添えたいと源氏の君を招きます。 随分お酒を進められた源氏の君。女性たちの部屋へ行き「お酒を強いられて困っています。こちらで私をかくま…

花宴2 朧月夜(おぼろづきよ)の君と逢う

照りもせず曇りもはてむ春の夜の朧月夜に似るものぞなき... 美しい女性が古い和歌を口ずさんで歩いて来ます。源氏の君、女性の袖を捉えます。 「まあ、いったい誰ですか」 「こんな趣深い夜に出会ったのです。おぼろげではない、深い前世からの縁があるので…

花宴(はなのえん)1 危ない予感

年が改まり、春の2月20日過ぎ、桜の宴が行われます。前の章が紅葉で秋だったのに対し、次は花で春としています。(この時代はただ「花」と書かれていれば桜を意味します)今回も源氏の君の素晴らしい様子が描かれています。漢詩と、紅葉賀の巻でも称えられた…

紅葉賀6 異例の中宮人事

7月になって、藤壺が中宮(正式な妃)なりました。これは異例だったかもしれません。なにせ、20年以上女御を務め、皇太子の母である弘徽殿女御を差し置いて、藤壺を中宮にしたのですから。 帝としては次の皇太子に藤壺の子を、と考えています。しかし、藤壺…

紅葉賀5 源氏の君、帝に叱られる

乱れた気持ちを落ち着けようと、源氏の君は紫の姫君に会いに行きます。 姫君は和歌を引用して「会う時間が少ないですわ」と、ちょっとませたことを言っています。「あらま、憎たらしいことを言う。見飽きられたら困ると私は思っていますよ」と源氏の君は言い…

紅葉賀4 運命の皇子誕生

藤壺の出産は12月とみられていましたが、何事もなく年が明けました。1月には、と思われていましたが、音沙汰なし。世間では、もののけのしわざかとうわさしています。弘徽殿女御が呪詛しているといううわさも。源氏の君はやはりそうなのかと思いあたるのです…

紅葉賀3 私の夫は光源氏!

お正月を迎えました。源氏の君は宮中に行く前に、紫の姫君の部屋に行きます。 紫はお人形遊びに夢中です。小さなお道具やお屋敷を並べて遊んでいます。 源氏の君が出かけた後、紫の乳母の少納言は「今年からは大人におなりなさいませ。十歳を過ぎた人がお人…

紅葉賀2 葵、あなたはどうしたいのだ?

藤壺は実家に里帰りなさいました。源氏の君は逢う機会を探してうろうろしてばかり。さらに、この頃になると「源氏の君は自宅の二条院に誰か迎えた」という噂が葵の耳にも入り、葵はご機嫌斜めです。 源氏の君は「素直に恨み言を言ってくれたらこちらも隠し事…

紅葉賀(もみじのが)1 文章の限界を感じる

10月、帝は離宮へ行幸されます。しかし、お妃方は一緒に行けません。帝は特に藤壺がご覧になれないのを残念に思い、宮中で試楽(しがく リハーサル)を行います。 源氏の君は葵の兄とともに青海波(せいがいは)を舞います。夕陽が差すなか舞う源氏の君の美…

末摘花4 紅花の姫君

ここまでの醜女だったら逃げ出す男もいるでしょうが、源氏の君は「世間並みの女だったら捨ててもかまわないが、あれだけはっきり見た後だと、かえってあわれに思う」と姫君の衣装から門番など下仕えの者の服まで揃えて送ります。恋人というより、生活援助者…

末摘花3 千年経っても変わらないもの

源氏の君が初めて常陸宮の姫君の顔を見たのは、雪の降ったある朝。その顔は... 鼻が象のよう。高く伸びて垂れていて、先が赤い 顔は色白というより、雪もびっくりの白くて真っ青 額ははり出ていて、その上面長 源氏の君、「どうして隈無く見てしまったんだ..…

末摘花2 平安時代の恋の成り行き

新春の頃に常陸宮の屋敷に行き、まず大輔命婦の部屋で姫君の琴を聞きます。 命婦は姫の琴の腕前がはっきりしないように、頃合いをみて格子戸を閉めてしまいます。こうやって焦らしたり相手の様子がはっきりしすぎないようにするのも女房の腕の見せどころのよ…

末摘花(すえつむはな)1 これだけは言っておきたい

源氏の君は夕顔のことを忘れられずにいました。空蝉のことも思い出しています。一度関係した女(ひと)は忘れられない人なのです。 現代では、源氏の君はプレイボーイだとか、女を泣かせる男とか言われていますが、そんな男の話だったら当時の女性読者にも嫌…

若紫4 これって少女誘拐では...

秋になり、北山の尼君と紫の姫君は京の屋敷に帰って来ました。源氏の君はお見舞いに行ったり手紙を送ったりしていましたが、尼君は亡くなってしまわれました。 紫の姫君は、父親に引きとられるとのこと。すると源氏の君、なんと引きとられる当日の朝、姫君の…

若紫3 二人の逢瀬、実は...

夏の初め、藤壺は病気で実家に帰っていました。 源氏の君、またとない機会だと藤壺のもとへ。藤壺の女房、王命婦(おうのみょうぶ)をせめたて、どうやってこしらえたのか機会を作らせます。 そして源氏と藤壺は逢ってしまいます。が... 実は、二人がこうい…

若紫2 チグハグ夫婦、源氏と葵

都に戻った源氏の君は、宮中に赴き父帝にあいさつをします。 左大臣も居合わせていて、すぐ屋敷にお迎えしますとのこと。 左大臣は源氏の君を自分の牛車に乗せますが、源氏の君を前に座らせ自分は後ろに座ります。牛車は前が上座です。丁重な扱いを源氏の君…