花宴3 朧月夜の女の正体
旧暦3月20日過ぎ、右大臣家で藤の宴が行われます。右大臣家は普段源氏の君を目の敵にしていますが、今日は宴に花を添えたいと源氏の君を招きます。
随分お酒を進められた源氏の君。女性たちの部屋へ行き「お酒を強いられて困っています。こちらで私をかくまってください」と言います。
そして右大臣の娘たちの席の前で歌を歌います。
石川の高麗人(こまうど)に 扇を取られて からき目をみる...
「あら、その歌は《帯を取られて》ではありませんか」「変わった高麗人もいたものですね」そう話す中、返事もせずため息をつく人が。源氏の君、几帳(きちょう 布製の間仕切り)越しに手を握ります。
この間ほのかに見た月を見ようとさ迷っています
本当に思う相手なら、迷ったりしませんわ
やはりこの女性です。しかし、この人は六の君でした(続く)