源氏物語を楽しもう‼️

源氏物語の魅力を目一杯伝えたいブログ

2018-12-01から1ヶ月間の記事一覧

賢木9 危険な密会、ついにバレる

年が明けました。左大臣は世の中の情勢がすっかり変わってしまったのを嘆いて、辞職されてしまいました。 今や右大臣一族が栄える時代となり、源氏の君はもちろんのこと、左大臣一族や藤壺に仕える人々も昇進の人事はありません。時代が変わったのだと人々は…

賢木8 決別

亡き院の一周忌になり、藤壺はそれにあわせて法華経の法要・法華八講(ほっけはっこう)を開催しました。 そして最終日、藤壺は出家し、尼になりました。 当時の出家は、まさに「俗世間と決別」することで、私の目から見ると、社会的な死と言ってもよさそう…

賢木7 決意の藤壺、スネる源氏

こんなことが続いたら、うわさになるかもしれない。一体どうしたらいいのか... 藤壺は考えたあげく、ある決心をします。そして、その決心を息子に伝えるべく、宮中へ向かいました。 一方源氏の君は、このところ宮中にも出仕しないし、東宮の元にも参上しませ…

賢木6 源氏、藤壺に迫る

藤壺は東宮の後見役として源氏の君を頼りにしていましたが、あのけしからん恋心はどうにかしてくれないかと気を揉んでおられ、密かに恋心が静まるようにと祈祷をさせていました。しかし ある日、突如源氏の君が現れたのです。 源氏の君はあらんかぎりの言葉…

賢木5 へー、葵にそんな話が...

この巻で新たに分かったことですが、葵には朱雀帝が皇太子だった頃にお妃になる話があったそうです。しかし、葵の父の左大臣は朱雀帝ではなく、源氏の君と結婚させることを選びました。弘徽殿大后はいずれ帝になる自分の子ではなく、臣下になる源氏の君を左…

賢木4 尚侍(ないしのかみ)、微妙な立場

院がお隠れになったので、娘の加茂の斎院は喪に服するため斎院が交代します。新しく斎院は源氏の君のいとこの朝顔の姫君です。源氏の君は以前からこの方に想いを寄せていて、斎院になられてからも手紙を送っています。 年が明けて二月、右大臣の娘の朧月夜の…

賢木3 院がお隠れになる

院は病気を患っていましたが、ご容体が悪化してきたので、朱雀帝はお見舞いにいかれました。 院は東宮(皇太子)になられた藤壺の皇子のことをよろしく頼むとおっしゃられ、源氏の君については「国を守る相がある者だからこそ、あえて臣下にしたのです。この…

賢木2 男と女の悲しい別れ

斎宮の伊勢出発も間近になり、源氏の君は六条御息所に会いに向かいました。晩秋の旧暦九月、枯れ草の野を踏み分けて、野の宮に着きました。夕暮れの空に月が浮かび、虫の音が聞こえます。 六条御息所は、内心源氏の君が来るのを心待ちにしていましたが、いざ…

賢木(さかき)1 退場させられたの?

葵の上が亡くなって、次の正妻は六条御息所ではないかと世間の人も御息所に仕える人もうわさしていますが、源氏の君は手紙は送るもののお通いがぴったり途絶えています。六条御息所は、「私を嫌う理由があるに違いない」と伊勢行きを心に決めています。 ここ…

葵13 けじめはちゃんとつけます

その日は十月最初の亥の日だったので、無病息災を願って亥の子餅(いのこもち)がだされました。すると源氏の君は乳母子の惟光(これみつ)を呼んで 「この餅をもう少し少なくして、明日の暮れまでに用意してくれ。今日は日が悪いから」 惟光、ピンときたら…

葵12 はじめての朝

ある朝、源氏の君は早く起きたのですが、紫の君はなかなか起きてこないことがありました。 どうやらふたりは「夫婦」になったようです。 でも紫は相当ショックだったようで、「こんな嫌らしい心を持った人を、どうして信頼していたのか」と嘆いています。 昼…

葵11 源氏、二条院へ帰る

葵の四十九日があけて、源氏の君は自分を心配している父の院に挨拶にいきます。今夜は二条院に帰るそうです。 左大臣家では、若い葵に先立たれて悲しいところに、源氏の君ももうこれきり来なくなってしまうのではないかと皆が沈んでいます。源氏の君は産まれ…

葵10 あまり見たくない弔問の手紙

菊の花を添えて紙の色を喪服の色に合わせた弔問の手紙。誰からだろうと見ると、六条御息所からです。素晴らしい筆跡ですが... 正直、葵の上に六条御息所の生き霊を見てしまった源氏の君。なんだか疎ましく感じます。なんではっきりと、見てしまったのだろう…

葵9 悲しみの源氏の君

葵を失った源氏の君は眠れない日々が続いています。 いつかは打ち解ける日がくるだろうとのんきに構えて、他の女性のところへ行って辛い思いをさせてしまった。私のことをつれない男と思ったまま逝ってしまったのだろうなあ... せめての思いか、源氏の君はま…

葵8 やっと夫婦らしくなったのに

葵は出産疲れで伏せっています。そんな様子がかわいらしいと描かれています。 源氏の君は看病しながら、「どうしてこの人をもの足りないと思っていたんだろう」と思います。葵も宮中へ行く夫を伏したまま見つめて送ります。 ところが 源氏の君や左大臣が宮中…

葵7 取れない取れない...

六条御息所は車争いの後、もの思いがひどくなり「魂が抜けた」ように日々を過ごしています。葵の上が出産したと聞いて「一時は危ないと言われていたのに安産だったのか」と憎らしく思います。 ふと、芥子(けし)の匂いがするのに気がつきました。芥子は祈祷…

葵6 生霊(いきりょう)

車争いの後、葵の上はもののけがとりついて苦しむ日々が続いていました。祈祷でいろいろともののけや生霊が現れるのですが、ひとつだけ、どうにも葵の上から離れないものがいます。 源氏の君は付きっきりで葵を看病します。すると祈祷に根負けしたもののけが…