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賢木8 決別

亡き院の一周忌になり、藤壺はそれにあわせて法華経の法要・法華八講(ほっけはっこう)を開催しました。

そして最終日、藤壺は出家し、尼になりました。

 

当時の出家は、まさに「俗世間と決別」することで、私の目から見ると、社会的な死と言ってもよさそうなことでした。

藤壺は以前から決めていたことですが、法要に参列した人々にすれば突然のことだったので、動揺します。法要が終わって、人々は涙で袖を濡らして帰りました。

 

源氏の君は二条院に帰っても眠れないほど藤壺の出家を嘆きます。その一方で「母親が出家した以上、東宮をお支えできるのは自分だけ」とわきまえます。

 

それにしても驚いたのは、藤壺が出家した後、源氏の君は藤壺に迫ることがなくなったことです。それだけ、当時の出家は大きな意味があったんですね。藤壺は出家という形で、源氏との関係にもピリオドを打ったのです。(続く)