車争いの後、葵の上はもののけがとりついて苦しむ日々が続いていました。祈祷でいろいろともののけや生霊が現れるのですが、ひとつだけ、どうにも葵の上から離れないものがいます。
源氏の君は付きっきりで葵を看病します。すると祈祷に根負けしたもののけが「源氏の君に言いたいことがある」と言いました。源氏の君は葵のそばへいきます。
葵を励ます源氏の君。すると葵は
「あまりに苦しいので、ご祈祷を少しゆるめていただきたいのです」
...ん?
「もの思う人の魂は、身体から抜け出してさまようものなんですね...」
この声、それにこの気配は
六条御息所だ...!
その後葵は男の子を出産しました。(続く)