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賢木4 尚侍(ないしのかみ)、微妙な立場

院がお隠れになったので、娘の加茂の斎院は喪に服するため斎院が交代します。新しく斎院は源氏の君のいとこの朝顔の姫君です。源氏の君は以前からこの方に想いを寄せていて、斎院になられてからも手紙を送っています。

 

年が明けて二月、右大臣の娘の朧月夜の君が尚侍として宮中に出仕します。この尚侍という立場、微妙なんです。女性の高官なんですが、源氏物語が成立した頃には「帝の寵愛を受ける女官」「お妃に準ずる立場」とみられていました。源氏物語以降にできた「とりかえばや物語」を漫画化した「ざ・ちぇんじ!」では、尚侍を[妾めかけ]と言ってましたが、たしかに事実上、帝の妾です。

 

本当は正式にお妃として朱雀帝に仕えさせたかったのですが、源氏の君との仲が世間に知られてしまったので、右大臣はこうするしかなかったようです。それなら源氏の君と正式に結婚を、という話もあったようですが、源氏の君は興味がない様子。

 

 

しかし、源氏の君と朧月夜は密会を重ねています。朱雀帝が慎まなければならない時を狙って逢瀬を重ねたりしています。

院が亡くなった今、右大臣や弘徽殿大后の力が強くなっています。朱雀帝は強気な性格ではないので、母や祖父を止められません。

こんな時に、朧月夜との密会がバレたら一大事です。でも、その危険さゆえに心が動く源氏と朧月夜です。(続く)