澪標(みおつくし)1 源氏が帰ったその後
源氏の君は夢枕にたった亡き父院を弔うため、法華経の法要、法華八講(ほっけはっこう)を行います。
この法華八講、当時は権威ある者でなければ開催できませんでした。多くの人々が準備に携わり、参列している様子に弘徽殿大后は「とうとう源氏を追放できなかった...」と悔しがっています。
源氏の君としては、自分の権威復活のPRより、亡くなった後も自分を心配している父を安心させることが重要でしょうけど😌
朱雀帝は目の病気はよくなりましたが、いろいろと心細いことが多く、退位を考えていらっしゃいます。そして、心配しているのが朧月夜です。
「あなたの父は亡くなり、姉である大后も病気がちで、私自身も命長くないかもしれない。せめてあなたに私の子がいれば良かったのに」
「私はあの人(源氏)より軽く見られているが、あなたへの愛情は誰にも負けません。念願通りあの人と結婚しても、その気持ちが変わることはないでしょう」
朱雀帝の深い愛情を、朧月夜は身に染みて感じます。
どうして私は若さにかまけて、あんな騒ぎを起こしてしまったのかしら...(続く)