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藤裏葉4 栄華の極み

この年の秋のこと。源氏の君は准太上天皇(じゅんだいじょうてんのう)の位をいただきました。

太上天皇、つまり、位を降りた天皇に准ずる地位が与えられたということです。

源氏の君は幼い頃、外国の人相占い師に「帝になる相があるが、帝になると国が乱れる。しかし、一生臣下で終わる訳でもない」と言われていました。帝にならないが臣下でもない。どうやら今回のことを暗示していたのです。

 

 

そして十月二十日、源氏の君の屋敷である六条院に、冷泉帝と源氏の君の兄の朱雀院(すざくいん)がお揃いでお越しになられました。

これはとんでもなく名誉なことです。

源氏の君は栄華の極みに達したと言えます。

 

 

これにて源氏物語、めでたしめでたし...

と言いたいところですが、源氏物語はまだまだ続くのです。

 

しかし、頂点に達した者のその後とは、どんな展開になるのでしょう?