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梅枝(うめがえ)1 娘の結婚、気合いが入る

年が明けて、二月には次期天皇東宮(とうぐう)が元服されます。

それにあわせて源氏の君は、娘の明石の姫君の成人式を行い、東宮に嫁がせる予定です。

 

自分の娘の結婚ということで、源氏の君気合いが入っています。

嫁入り道具のひとつとして、お香の準備をしていますが、お香の調合を六条院の夫人たちや、親交のある朝顔の君にお願いして、ご自身も部屋にこもって調合しています。

出来上がったお香を実際にたいて香りを比べてみましたが、どれもこれもそれぞれ良さがあって一番が決められません。

 

女性の成人式で一番重要な役割は腰結(こしゆい)という役ですが、明石の姫君の成人式では、腰結を冷泉帝の后の秋好中宮(あきこのむちゅうぐう)にお願いしました。

腰結は成人する女性の後見人と言える立場。帝の后がそれを行う豪勢さです。

 

晴れの成人式でしたが、源氏の君はひとつ残念なことが。

姫君の実母、明石の君を呼べなかったことです。

 

明石の姫君は幼い頃、実母の元を離れ紫の上に育てられました。母の身分が低い事が、将来の出世に影響しないようにするためです。

今はひとつ屋根の下ですが、明石の君は娘に会いに行くことはありません。

娘の成人式を見せてあげたい所でしたが、世間から悪口を言われないようにとの配慮から、実現できませんでした。

 

 

さて、大々的に行われた明石の姫君の成人式を受けて「うちも娘を東宮に嫁がせたいけど、源氏の君にはかなわないなぁ...」という方が沢山いて、いっそ止めようかという方もいるそうです。

それを聞いた源氏の君は「優れた姫君が引っ込んでしまうのはもったいない」と、娘の結婚を少し延期すると発表。

かなりの余裕が感じられます。(続く)