梅枝2 娘の結婚、どうすりゃいい?
一方、内大臣(ないだいじん)は、源氏の君の娘の輿入れ騒ぎを苦々しく聞いていました。
我が娘、雲井雁(くもいのかり)も本来なら東宮に輿入れさせるところだったのに...
雲井雁は祖母の大宮の元で、いとこの夕霧といっしょに育ちました。いつしか恋心が芽生えた夕霧と雲井雁。
しかし、雲井雁を東宮の妃にしようと考えていた内大臣は激怒。雲井雁を自分の屋敷に引き取ってしまいました。
それでも、世間に「夕霧と雲井雁は恋仲だ」とうわさが広がったため、雲井雁を東宮に嫁がせることはできなくなりました。
夕霧は今でもひそかに雲井雁と手紙を送りあっていますが、結婚に関しては「内大臣の正式な許しを待つ」といった態度で、焦る様子はありません。
こんなことなら、夕霧が熱心だったころに結婚を許すんだった...
内大臣、雲井雁の結婚に頭を悩ませています。
一方、夕霧には右大臣や中務宮(なかつかさのみや)から縁談が持ち込まれています。
父の源氏の君も「内大臣の姫をあきらめているなら、この縁談受けてみてはどうだ」と話しています。
誰があきらめるか。夕霧は雲井雁に「あなたを忘れられない」と手紙を送ります。
しかし、夕霧の縁談のうわさを知っている雲井雁からこんな返事が
あなたは私をもう無理だとあきらめて忘れてしまった。世間の風に心がなびいたのですね
なんだこの返事は?首をかしげる夕霧です。
ふたりの仲はどうなるのか。それは次の章で。