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夕霧2 すれ違いの連鎖

夕霧から手紙が届いた、と女房が言っています。落葉の宮は当惑しますが、母君は「ちゃんとお返事しなければいけません」と手紙を見ます。

 

手紙の内容は、一夜を共にしたわりにはなんだかボンヤリしたもの。(本当は何事もなく、母君が勘違いしているだけですが)

まさか落葉の宮は、夕霧の気まぐれに付き合わされたのでは...心配になった母君は、自ら返事を書きます。

「一体、宮をどなただと思って一夜の相手になさったのですか。丁重に扱ってください」

 

夜になって夕霧の元に手紙が届きました。病気の母君の筆跡は乱れて読みづらく、灯火の近くで手紙を読む夕霧。

 

その後ろ姿を見た、夕霧の奥様の雲井雁(くもいのかり)。ずいぶん熱心に読んでいるけど、もしかして落葉の宮さまのお手紙かしら?

 

そーっと背後から近づいて...ヒョイ!

手紙を奪い取ってしまいました!

ま~現代でも、パートナーのスマホをのぞき見るってことありますけど、この時代でもこんなことあるんですね~。

 

 

雲井雁が手紙を隠してしまったので、手紙の返事が遅れてしまいました。

当時、手紙の返事の早さは、相手への誠意と比例していました。早ければ早いほど、相手への誠意を示していたのです。

しかも手紙の内容が「落葉の宮を大切にして欲しい」という懇願の手紙。たいそうまずいです。

 

一晩たっても返事がこないことにガッカリした母君。体調が急変し、帰らぬ人となってしまいました。お痛わしいことです。(続く)