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横笛2 風流な時間と生活感いっぱいの我が家

秋になり、夕霧は落葉の宮を訪ねます。

月の美しい宵に夕霧は琵琶を演奏します。曲は想夫恋(そうふれん)。落葉の宮も感じいったところがあったのか、少し合奏します。

 

帰りに夕霧は、柏木が大切にしていた横笛を贈られます。当時、笛は男性の楽器でした。女性ばかりのこの屋敷にあるよりは、ご友人のあなたに、とのことです。

 

我が家に帰ると、もう寝静まっています。

「今夜の美しい月を見ないなんて...」と夕霧は格子戸を開けさせて「いっしょに月を見よう」と奥様の雲井雁(くもいのかり)に言いますが、雲井雁は寝たふりです。夫がこんな夜更けまで、落葉の宮の所にいたのが憎たらしいようです。

 

月を見ながら寝入ってしまった夕霧。夢枕に柏木が現れます。

「この笛はあなたの元に行ったのか。どうせなら、私の子孫に伝えたい...」

 

 

ほぎゃあ、ほぎゃあ~

赤ちゃんが泣きさわぐ声で目が覚めた夕霧。

お乳をふくませますが、吐いてしまいます。何か悪い霊のしわざかしら、おはらいをしなくては、と女房たちも起きて大騒ぎ。

 

「あなたが若者らしく振る舞って、夜更けにお月見なんてするから、悪い霊が入ってきたのですわ!」雲井雁は怒っています。

 

子供がたくさんいるので、雲井雁は風流な事より子育てで忙しいのでしょう。

しみじみと楽器を演奏した落葉の宮の屋敷と、生活感たっぷりの夕霧の自宅との対照的なこと。(続く)