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柏木5 新たな恋の予感

柏木が最後に言ったことは、どういう意味だ?夕霧は考えています。

もうひとつ、変に思っているのは女三宮の出家。

一時は危篤まで陥った紫の上さまの出家すらお許しなさらなかった父上が、大した病でもなさそうな女三宮さまの出家を許されたとは...

 

まさか、柏木は女三宮さまと何か関係してしまったのか...

 

「源氏の君にお詫びしてほしい」と言われたことを叶える機会がなく、時は過ぎていきます。

 

 

そんな中でも、夕霧は柏木の妻の落葉の宮をよくお見舞いしています。

落葉の宮は夫に会えないまま死別してしまったのが心残りです。

 

春が過ぎて初夏になったころ、夕霧はまた落葉の宮を訪ねました。

お庭の柏と楓の葉が美しく、枝が重なっている様子を見て夕霧は

「同じことなら、あの柏と楓のように親しくしていただきたい

亡き方もお許しくださったと思って」と言います。

 

いつも夕霧の対応をしている落葉の宮の母君が返します。

(身分ある落葉の宮本人は対応しません。通常、女房が対応しますが、夕霧は位が高く、柏木の親友なので、母君が対応します。これがこの時代の習慣です)

「夫が亡くなったからといって、簡単に人を近づけていい枝ではありません。

あなたさまの誠意は、下心あってのことかと思われます」

 

一方、落葉の宮の女房たちは、ひそひそ話しています。

「柏木さまも素晴らしい方だったけど、夕霧さまは夕霧さまで素晴らしいわね」

「こうして何度もお越しくださっているなら、いっそのこと...」

 

あらあら、女房たちは夕霧に妙な期待を抱いています。

落葉の宮は朱雀院の姫宮と言えど、夫を亡くした今では、不安定な立場なのです。女房たちはそれが分かっているから、夕霧に期待しています。

 

夕霧も趣ある屋敷の様子に、主人の落葉の宮の性格を重ねているようですし...

このあとどうなるのでしょう。

 

 

次回から新しい章に入ります。