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夕霧3 錯綜する人々の思い

落葉の宮の母君が亡くなったと聞いて、あちこちから弔問の使者が来ました。夕霧は自ら弔問に向かいます。

 

落葉の宮は夕霧に会う気など、さらさらありません。

「この人が変な振る舞いをしたせいで、母はいらぬ心配したのだ」と怒っていらっしゃいます。

しかたなく夕霧は、葬儀が簡単なものにならないように人を呼んで、あれこれ手配して帰りました。

 

その後も夕霧はお見舞いの手紙を送ったり、法事を行う僧へのお布施を送ったりしますが、落葉の宮からの返事は無し。というより、宮は手に取って読んでもいません。

 

もはや世間に「夕霧は落葉の宮に熱をあげている」とうわさされていますが、夕霧は隠す気はないようです。

恋におぼれるなんて、正気を失っているんだと思っていたが、自分のこととなると、こんなに耐えがたいものなのか...夕霧は思います。

 

一方、夕霧の奥様の雲井雁(くもいのかり)は「夕霧が昔から女好きだったら、今回のことも上手く対処できただろうけど...親兄弟をはじめ皆から理想の夫婦と見られていたのに、こんな恥ずかしい事態になって」と嘆いています。

 

 

その後、落葉の宮の亡き夫柏木の父上は、宮の母君の法要を夕霧が取り仕切っていると聞いて驚きます。ちなみに柏木の父上は、雲井雁の父上でもあります。

法要は落葉の宮にとって一番近しい人物が執り行うもの。本来なら舅の私が執り行うのに、私を差し置いて夕霧が執り行うとは...

落葉の宮は夕霧を、事実上の夫と認めているのか。夕霧も夕霧だが、落葉の宮も落葉の宮だ。

 

なんで落葉の宮は「母の法要は、亡き夫の父上にお願いします」と断れなかったのかは分かりませんが、落葉の宮は出家してこの地に留まりたいと思っています。

それを耳にした宮の父の朱雀院は「そなたの異母妹の女三宮が出家したばかりなのに、競うように出家するのはかえって見苦しいと思われます。」と思い留まるよう手紙を送ります。

 

 

源氏物語で、こんな短い間にたくさん人が登場するなんて珍しい...

書いてて思いました。(続く)