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藤裏葉3 初めての対面、久しぶりの対面

さて、明石の姫君の東宮(とうぐう)への輿入れは四月二十日になりました。

当時、女性が天皇や皇太子である東宮に嫁ぐ時は、女性の一族の女あるじが付き添いました。

となると、同然紫の上が付き添うわけですが、源氏の君はこの付き添い役を実母の明石の君にさせようかと考えます。

 

紫の上も「姫君もまだか弱い年齢ですし、おつきの女房も若い人が多くて行き届かない所があるでしょう。実の母上がいっしょなら、私も安心です」と賛成します。

 

といっても、表向きは姫の女房という形です。

姫君が嫁ぐ当日、付き添いの紫の上は車で、明石の君は徒歩で宮中に向かいます。

 

 

大事な儀式がある三日間は紫の上が付き添いました。

付き添い役を交代する夜、紫の上と明石の君は初めて対面します。

紫の上は明石の君に会って「夫にはたくさんの女性がいる中、この方が格別の待遇を受けるのは、なるほどもっともだわ」と理解します。

明石の君は「こんな素晴らしい方と肩を並べられるなんて...」と思います。

どうやらお互いに良い印象のようです。

 

そして、明石の君は大きくなった姫君に再会しました。

お人形のようにかわいらしい姫君の姿に、涙が止まりません。

 

 

その後、明石の君は後見人として、しっかりお世話につとめました。

大事な時は紫の上も宮中に来ます。紫の上と明石の君、すっかり仲良くなりました。でも、明石の君は馴れ馴れしい態度はとりません。一家の女あるじである紫の上に失礼にならないようにしています。(続く)