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藤袴(ふじばかま)1 悩める美女、プラスアルファ

フジバカマの花は平安時代、喪服の色の花と言われていました。

 

成人式を終えた玉蔓、さっそく宮仕えに...といきたいところですが

三月に実の祖母、大宮が亡くなり、玉蔓は喪に服するため宮仕えは延期に。

九月に喪があけるので宮仕えは十月からとなりました。

 

もうすぐ喪があけますが、玉蔓は悩みが尽きません。

 

もし冷泉帝から愛されるような事になったら、どうしたらいいのだろう。

源氏の君が支援する秋好中宮(あきこのむちゅうぐう)や、実の姉妹の弘徽殿女御(こきでんのにょうご)から睨まれることは目に見えている。

これは以前にも紹介した玉蔓の悩みです。

 

さらに、今の玉蔓は他の悩みもあります。

 

実の親と玉蔓が対面がかなった後、源氏の君はますます遠慮せずに色恋めいた事を言ってくるのです。

世間の人も、玉蔓は源氏の君の娘ではないと知ってから「もしかして、源氏と玉蔓は男女の仲になっているのでは」とうわさしているようです。

 

世間の変なうわさに対して、それは違うと証明したい。

しかし、源氏の君の屋敷である、この六条院にいてはそれが出来ない。

実の父上は「玉蔓はうちに引き取る」という様子はないし...

(実の父は、玉蔓のことは源氏に任せるようです)

 

悩みを相談できる人はいない。一体どうしたらいいの?

 

夕暮れの空を見ながら悩む玉蔓。

その姿を作者は、美しいと評しています。(続く)