藤袴2 夕霧さま、あなたまで...!
もうすぐ喪があける九月のある日、夕霧が源氏の使者として玉蔓の元を訪れます。夕霧も祖母の大宮の喪中ですが、祖母に思い入れが深いので、濃い色の喪服です。
夕霧と玉蔓、当初は「きょうだい」と言われていたので玉蔓が直接対応していました。今はそうでないと分かっていますが、対応を変えるのもどうかということで、今も玉蔓が直接対応します。(といっても、すだれごしで顔は見せませんが)
源氏の用は済みましたが、夕霧はまだ留まっています。
美しく咲いた藤袴の花を差し入れて恋心を訴えます。
「こうして同じ人(祖母の大宮)のために喪服を着る仲とは思っていませんでした。きっと縁があるのでしょう。そんな私をあわれと思ってください」
えっ、夕霧さま、あなたもですか...!
これは厄介なことになったわ...
「なんだか気分がすぐれないので」玉蔓は奥に引っ込みました。
言わなければよかった...後悔する夕霧。(続く)