源氏物語を楽しもう‼️

源氏物語の魅力を目一杯伝えたいブログ

野分2 胸がドキドキ

夕霧は源氏に挨拶をすると、三条に住む母方の祖母が不安そうにしているということで、源氏の手紙を持って三条へ向かいました。今夜は三条にお泊まりです。

 

夜になっても風は吹き荒れています。それもあって、心が落ち着かない夕霧。

紫の上の顔がちらついています。「一体自分はどうしたんだろう。してはならない想いがつのるばかりだ。恐ろしい...」

 

 

朝になって風は弱くなり、雨もパラパラと降る程度になりました。夕霧は六条院で離れの建物が壊れたと聞き、そちらへ向かいます。

 

ちょうど秋の御殿に秋好中宮(あきこのむちゅうぐう)が里帰りしている時だったので、源氏の君は夕霧にお見舞いに行かせます。

 

ずいぶん怖い思いをしましたが、やっと安心しましたという返事。源氏の君は自分自身もお見舞いに行こうと支度をします。

 

待っている夕霧は、ふと、物陰に袖口が見えるのに気がつきます。(紫の上さまの袖だろうか...)ドキドキ、ドキドキ。

 

源氏の君は、夕霧がぼんやりしているのを目ざとく見つけます。

紫の上にそっと「昨日、夕霧に姿を見られたのではないか?」と聞きます。「そんなことはないと思いますけど」「そうかな...」(続く)