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薄雲5 冷泉帝、自身の秘密を知る

天変地異に相次ぐ重要人物の死。これはあの事が原因ではないか。そう心配したのは源氏の君だけではありません。

それは藤壺の母親の代から使える僧。ある日、冷泉帝に秘密裏に申し上げました。

 

「黙っていてはかえって罪になる...母君藤壺様は帝を妊娠されてから、深く嘆かれる事がありまして、私にお祈りを頼まれたことがありました。源氏の君が須磨に流された時にもまた、お祈りを願われました。その後話を聞かれた源氏の君からもお願いされ、お祈りは帝が帝位におつきになるまで続けられました。

その内容とは...」

 

なに、私は源氏の君の子なのか!!

冷泉帝に戦慄が走ります。

 

「天変地異が治まらないのはこのためです。帝が幼いうちはまだしも、大人になられた今はこの罪を正すべきと、天が咎めるのです。」

 

 

私は父を臣下として扱っていることになる。一体どうしたらいい...

 

冷泉帝が出した答えは「源氏に帝位を譲る」でした。

しかし、源氏は固く断ります。せめて親王に戻って欲しいという冷泉帝の願いも断りました。

 

もしや冷泉帝はあの事を知ったのだろうか。源氏は心配して、あの事を知る藤壺の女房にひそかに聞きましたが「そんな事はありません」。

 

まさか藤壺に使える僧が漏らしたとは考えていない様子。

それにしても、この時代の僧は秘密のお祈りを頼まれる事がいろいろあったのでしょう。とんでもない秘密を抱えた僧もいたのでしょうね...

 

次回から新しい章に入ります。