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絵合3 華麗な戦い

三月二十日に、冷泉帝の御前で絵合が行われました。梅壺方は桜や藤をイメージした赤系の衣装、弘徽殿方は柳や山吹をイメージした青と黄色の衣装です。敷物や絵を入れた箱まで色調をそろえています。

前の絵合から十日ほどです。公式の宮廷行事ではないとはいえ、両者とも短期間でここまでやるとは...気合いの入れ方がスゴい。

当日は藤壺もご覧になるというので、もはや一大イベントです。

 

どちらもすばらしい絵がだされて、決着がつかないまま夜になりました。最後の絵が出されます。

葵の兄は、こんなこともあろうかと最高の作品をとっておきました。対して源氏の君が出したのは...

 

なんと、自ら描いた須磨の風景画。

あまりの出来の素晴らしさ、そして、源氏の君はこんな所をさすらっていたのかと皆は当時を思いだし「なんともおいたわしい」と涙をこぼします。

この絵以上のものはないと、梅壺方の勝利となりました。

 

後にこの須磨の風景画は、藤壺に贈られました。

 

 

時として、お妃争いはトゲトゲ、ギスギスしたものになってしまいますが、みんなが楽しめる華やかな行事になることはよいものです。

源氏の君はちょっとした遊びでも趣向を凝らすので、葵の兄は「冷泉帝の愛が梅壺女御に傾かないか」と心配しています。でも、冷泉帝は弘徽殿女御と仲良くやっているようです。(続く)