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朝顔1 あきらめの悪い男、源氏

源氏の君のいとこで朝顔の君と呼ばれた姫君がいます。源氏の君は昔からこの姫君に手紙を送って想いを伝えていました。

しかし、朝顔は恋愛に関心のない方。それに、高貴な六条御息所が源氏の君の愛を受け入れた後は扱いが軽くなったと聞いて「私はそうはなりたくない」と源氏の求婚を断っていました。

 

その後朝顔の君は加茂神社に使えていましたが、父の宮様が春に亡くなられたので職を辞めて実家に帰っています。

季節は秋になりました。

 

源氏の君は、一度恋すると忘れない方。情が深いと言えますが、相手にその気がない場合はあきらめが悪いと言えます。朝顔の君に父が亡くなったお見舞いの手紙をしげしげと送っています。

また、同じ屋敷に住んでいる朝顔の父の妹の五の宮のお見舞いと口実を作って、朝顔の君の屋敷に通っています。

 

五の宮とお話なさった後、「せっかくですから、朝顔にもあいさつして来ます」朝顔の君の部屋に向かいます。(せっかくって、メインはこっちなんでしょ)

 

朝顔の君は、すだれを閉めて会話も女房を間に挟んでしています。

相手が身分高い人だったら、直接会話するものです。五の宮は源氏と直接話をしています。朝顔の君は源氏に隙を見せません。

 

「いまさらこんな扱いとは。長年心を尽くしてきたのだから、すだれの中に入るのを許して下さると思ってたのに」

すだれの中に入れるのは親か親しい兄弟だけ。それか夫。源氏の君、暗に「心を許して私と結婚してくれてもいいものを」と思っています。

「あなたの心使いのことは、ゆっくり考えさせていただきます。朝顔様はそうおっしゃっています」と取り次ぎの女房。つれない返事です。(続く)