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朝顔2 この時代の女性の現実

朝顔の君はつれないですが、源氏の君はあきらめられず、朝顔の君の女房を自邸によんで相談しています。

朝顔の君の女房たちにしても、朝顔と源氏が結婚してくれればと思っているはずです。

 

この時代、いくら身分の高い女性でも、経済的に支えてくれる親兄弟がいなくなると、たちまち生活が苦しくなります。中には生活困窮のはてに遊女になったひともいたのだとか。

 

自分で稼ぐ方法があるじゃないか、という意見があるかもしれません。

この時代、女性が自分で稼ぐといったら宮廷の女官になるか、私的に雇う女房になるかです。

 

でも、宮廷の女官になれるのはほんの一握り。それに、女房になると不特定多数の男性と顔をあわせることになります。「女性が不特定多数の男性と顔をあわせるなんて、はしたない」というのが当時の世間の風潮です。たとえお妃様や姫宮様の女房になるとしても。

 

それに、身分の高い女性ほど世間を知りません。宮仕えに苦労するのは目に見えています。

 

 

朝顔の君の屋敷は、父の宮様が亡くなって半年ほどですが既に荒れ始めています。兄弟は腹違いで疎遠なので頼れません。

これからの生活を考えると、女房たちは不安でしょう。源氏の君と結婚して、生活を安定させて欲しいというのが本音だと思います。五の宮も、朝顔の父宮は娘と源氏を一緒にさせたかったと話しています。そういうことから朝顔の女房も源氏に味方する者がいるのです(続く)