澪標3 光源氏にまつわる予言その2
三月になり、明石の君が女の子を出産したと知らせがありました。
源氏の君は昔、占い師に言われたことを思います。
子供は三人。帝と后になられます。中の子は臣下として位を極めるでしょう。
后となる子は身分の低い方を母親とします。
確かに子供が(秘密ですが)帝になった。すると今回産まれた女の子が、将来の后なのだろう。
源氏の君はまず、乳母を明石に送ることにしました。将来の后ということを考えてか、乳母にするには身分が高めの女性を選びます。
それから、現代は生まれて百日のお祝いをしますが、当時は五十日目にもお祝いをしました。(赤ちゃんの生存率が低かったからでしょう)その五十日のお祝いの品も、ぴったり五十日の日に送ります。このお祝いは父方の誠意を見せるものとされていたので、明石では喜びもひとしおです。(続く)