源氏物語を楽しもう‼️

源氏物語の魅力を目一杯伝えたいブログ

若菜 下2 穏やかに時は過ぎていく、が...

それから数年後のこと。

冷泉帝は位を譲ると発表されました。

「残念ながら私には皇子がおらず、自分もいつまで長生きできるかわからない。位を譲ってゆっくりと過ごしたい」と思っていらっしゃるようです。

新しく今上帝(きんじょうてい)が即位され、時代が変わります。

 

これまで政務を執っていた太政大臣(だじょうだいじん)も引退を表明されます。

 

新しい皇太子には、明石の女御(にょうご)が産んだ第一皇子が選ばれました。

源氏の君にとっては、自身の孫が皇太子になるのですから、権威はさらに強くなりました。

 

 

源氏の君はこれを機に、明石の君の父が「我が家から帝と后が生まれますように」という願いがかなったお礼参りに、住吉へ参詣します。一晩中神楽を舞う、たいそう豪勢なお参りになりました。

 

 

とまあ、表向きは華やかな源氏の君の周囲ですが、このところ紫の上は出家して尼になりたいとおっしゃっています。

「そろそろゆっくりと、仏道生活に入りたいと思います。出家をお許しください」

 

源氏の君は「私こそ長年出家したいと思っていますが、あなたが心配で思い止まっているのです」と紫の上を制します。(続く)