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蓬生(よもぎう)1 凄まじい荒れっぷり

みなさん、末摘花(すえつむはな)を覚えていますか?

鼻が象みたいに長い姫様。あの方の話です。

 

末摘花は源氏の君から生活援助を受けていましたが、源氏の君が須磨へ流されてしまってからは援助もパタリと止まってしまい、生活がますます苦しくなっていました。

その荒れっぷりといったら...

 

お庭は草や蓬が生い茂り、建物の軒まで届きそう。木もうっそうと生い茂り、キツネやフクロウが住みかにしている有り様。

つる草が東西の門にしっかりとからみついて、門を閉じているのが頼もしいぐらい。(皮肉だ~)

でも、塀が崩れていて牛飼いの子どもが牛や馬を放し飼いにしてエサを食べさせています。

泥棒も「ここはダメ」と無視して行く...

 

こちらに仕える者たちは

「裕福な地方官が、ここの木立に目をつけて、譲って欲しいと言ってます」と、お金の算段をつけてきますが末摘花は

「とんでもない!ここは親の面影が残る屋敷。私は動くつもりはありません」と突っぱねます。

「では調度品を売っては...古くても立派なものですし、欲しがっている者がいます」

「これらは両親が私の為に作ってくださったものです。下の身分の家の飾りにするなんてできません!」

 

こんな調子なので、屋敷は荒れる一方。仕える女房も、門番や庭掃除の者といった者もどんどん減っていきます。(続く)