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夕霧4 こうなったら...その1

こうなったら落葉の宮のココロが解けるのを待っていても仕方ない。母君さまは承知していたと世間には知らせておこう。

夕霧はそう決心して、落葉の宮が都の屋敷に帰る日を決めてしまいました。強行手段にでましたね。

 

当日、落葉の宮は「私は帰りません」と抵抗しますが、女房たちに説得されて泣く泣く帰ります。

 

おや、帰って来た屋敷の様子が変です。

実は夕霧「落葉の宮に気持ちよく帰っていただくために」屋敷の掃除のみならず、調度品まで色々と整備していたんです。

でも宮は「屋敷のあるじの私に何も言わず、勝手に屋敷を改装した。知らない屋敷のようだわ」と、おかんむりです。

 

自分がこの屋敷のあるじみたいな顔をしている夕霧の態度も気に入りません。

こうなったら、大人げないと思われてもいいわ。

落葉の宮は塗籠(ぬりごめ)という部屋に立て込もってしまいました。

 

新婚初日から閉め出されてしまった夕霧。しかしいつまでもこうしてはいられません。

女房に「私がここに来なくなったら、それこそ『落葉の宮は夕霧にすぐ捨てられた』と言われて、宮さまや仕えるあなたたちの名誉に傷がつくのですよ」と半ば脅しています。

仕方ない...女房は別の入り口から夕霧を入れてしまいました。

 

女房たちまで夕霧の味方になってしまったか...悲しく思う落葉の宮。

「思い通りにいかない時、人は淵(ふち)に身を投げると言います。私の愛という淵に身を投げたと思ってください」と夕霧は口説きます。

 

もはやこのふたり、意地の張り合いという淵に身を投げてしまったようです。(続く)