玉鬘2 まずは復習から

年月は経ちましたが、源氏の君は夕顔を忘れることはありませんでした。

夕顔の女房で、今は源氏の屋敷で仕える右近も「夕顔さまが生きていらしたら、こちらの六条院へお引っ越しされていたかもしれないのに」と残念に思います...

と、このように始まる玉鬘の巻ですが、「夕顔って誰だっけ？」という方が多いと思います。（多分、当時の読者も忘れていた方が多いはず）そこで、おさらいしましょう。

夕顔は、内大臣の若き日の夫人のひとり。娘が産まれましたが、内大臣の正妻からにらまれて隠れ住まいをしていました。そこで、源氏の君と出逢い、交際するようになります。

しかし、源氏と外出した時に夕顔は急死。騒ぎになるのを恐れた源氏は、夕顔を密かに埋葬します。いっしょに付いて来た女房の右近にも口止めし、右近はそのまま源氏に仕えることになりました。

では、これを踏まえて

玉鬘の乳母は、夕顔の行方をあちこち探し、神仏に祈願もしましたが分からずじまい。

実は、乳母の夫が大宰府にお勤めになるので、家族みんなで引っ越すことになっており、玉鬘をどうしようかと困っています。

「姫様の父上に話して、引き取っていただこうか」「でも、母親はどうしたと聞かれたら何と答えたらいいの」

色々話し合った結果「都から遠く離れるのはお痛わしいことだが、姫様を大宰府へお連れしよう」ということになりました。

幼い玉鬘は「お母さまの所へ行くの？」と尋ね、皆は涙をこぼしています。（続く）