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初音(はつね)1 新年の六条院

この巻から、六条院の一年の様子が描かれていきます。玉鬘をめぐる話も続いていきます。ちなみに、暦は旧暦なので、この時代の一月は現代の二月です。

 

新年を迎えた六条院。うららかに空は晴れて、雪の間から若草が顔を出し、木の芽も芽吹いて穏やかなお正月となりました。

源氏の君と紫の上が住む春の御殿は、梅の花の香りが素晴らしく「極楽浄土のよう」と形容されています。源氏の君と紫の上はお祝いの和歌を交わして、末長く一緒にいられるようにと願います。

 

明石の姫君のお部屋に行くと、実母の明石の君から新年のお祝いのお料理が届けられていました。松にうぐいすがとまっている飾りものに、お手紙が添えられています。

あなたの成長を心待ちしている私に、今日はうぐいすの初音-今年最初のお手紙-をくださいませ

 

源氏の君は「このお返事は自分で書きなさいね」と言い、すずりを用意させます。お返事は

お別れして年月が立ちますが、うぐいすは産みの親を忘れたりしません

 

 

夏の御殿の花散里と玉鬘を訪ねた後、冬の御殿の明石の君を訪ねました。

 

お香のかおりが漂い、気品のあるしつらえです。

すずりの周りが散らかっているので見てみると、姫君からのお返事についての和歌が書かれていました。

めずらしいこと。花のねぐらに住むうぐいすが、谷の古巣を訪ねてくれた

 

新年早々紫の上に悪いなあと思いつつ、源氏の君は今夜は明石の君の所に泊まります。でも夜明け前には帰られました。

今日はお客様がたくさん来られたので、紫の上と顔を合わせずに済みました。(続く)