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玉鬘6 ちょっぴり複雑

源氏の君は右近に、玉鬘への手紙を言付けます。玉鬘は複雑な思いです。

「実の親からの手紙だったら、どんなにか嬉しかっただろう。知らない人のお世話になるなんて...」それでも右近たちに諭されて返事は書きました。

 

一方、源氏の君は紫の上に玉鬘との関係を話します。「(玉鬘の母の)夕顔の君なんて、聞いたことありませんよ。隠していたなんて」

「生きている人でもわざわざ話したりしないのに、ずいぶん前に亡くなった人の話はしませんよ。こんな話をするのも、あなたが格別の存在だからです」

 

「それでも、生きていたら明石の君くらいには扱っていたでしょうね」

「どうかしら。明石の君と同じくらいとはいかないでしょう」

源氏としては「そのくらいの身分の人だから心配しなさんな」と言いたいようですが、紫は「あなたは明石の君を特別扱いですもの。それと同じくらいとはいかないんじゃないのかしら」と言いたいようです。

 

 

こうして十月に玉鬘は六条院に引っ越してきました。

玉鬘に対面した源氏は、田舎暮らしが長かったのに受け答えもちゃんとできる美しい玉鬘を好ましく思います。

でも「こんなに美しい人がいると知ったら、男たちが放っておかないだろう。男たちが恋に悩む姿を見てみたいものだな」と紫の上に言ってましたよ。「困った親ですこと」と紫に言われてます。

 

玉鬘の養育は、花散里にお願いしました。ただし、「行方不明だった自分の娘」と説明しています。

息子の夕霧にも「きょうだい」といってあります。「お引っ越しの際は付き添いに来ず失礼しました。何かご用のある時は呼んでください」と真面目に挨拶されて、玉鬘も事情を知る人もどうしたものかと思ったでしょう。(続く)