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葵1 嘆きの六条御息所

帝は皇太子に位を譲り、朱雀帝(すざくてい)の時代となりました。帝はこれから院と、母の弘徽殿女御は弘徽殿大后(こきでんのおおきさき)とお呼びします。

源氏の君も位が上がり、軽々しく振る舞えない立場に。女性たちから通いが少ないと言われているようです。

 

さて、この時代は加茂神社には斎院(さいいん)伊勢神宮には斎宮(さいぐう)といって未婚の女性皇族が奉仕していました。斎宮天皇が代わると新しい方が任命されます。その斎宮六条御息所の娘が選ばれました。御息所は通いの少ない源氏の君の心が頼りなく思い、いっそのこと娘といっしょに伊勢に行こうかと考えています。

 

そんな話が院の耳に入り、院は源氏の君を注意します。

「亡き宮が大切にし、寵愛された御息所を軽々しく扱うのはかわいそうなことだ。相手に恥をかかせることなく、女性の恨みを買うことはしないように」

 

院にこんな話が知られているということは、世間には「六条御息所は源氏の君に軽い扱いをされている」と広く知られているということです。こんな噂は恥でしかありません。まして身分の高い女性がこんな噂をたてられるのはたまったものではありません。

 

しかし、御息所は7歳上の年を気にして源氏と打ち解ける様子なし。そのため源氏の君も特別扱いする様子がありません。かといって、御息所をここで捨てたらそれはそれで御息所の恥になります。進むことも別れることもできない二人です。(続く)