関屋2 懐かしい男(ひと)からの手紙
空蝉の弟は少年時代から源氏の君に仕えていましたが、源氏の君が須磨へ流された頃、世間の評判を気にして姉のいる常陸に逃げていました。
常陸から戻った後、再び源氏の君に仕えています。源氏の君はとやかく言うことはありませんでした。それでも、出世はさほどのものではありません。
源氏の君は空蝉に手紙を送って欲しいと弟に手紙を託します。
弟は空蝉に「ぜひお返事を書いてください。昔と変わらない源氏の君の態度、私には大変ありがたいものです。人の妻にこんな手紙は無用かもしれませんが、根負けして返事をしたとしても罪にならないでしょう」
空蝉もこらえられず、返事をします。
源氏の君はその後も、空蝉の心をときめかす手紙を送り続けました。
しばらくして、空蝉は夫を亡くしました。すると、継子が彼女をモノにしようと近づいてきました。困った空蝉は尼になったそうです。
さて、次回からは本編に戻ります。