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少女2 息子よ、苦労の味を知っとけ!

源氏の君の息子、夕霧(ゆうぎり)が元服の年を迎えました。

元服すると位(くらい)をいただきます。夕霧だったら家柄から考えても四位はいただけるのでは、と世間は考えていました。が、いただけたのはなんと六位...

 

実は、五位と六位では雲泥の差があります。相撲で言うと、十両と幕下ぐらいの関係です。

当時は、五位の位をいただいてから、貴族として一人前とみなされていました。六位「なんて」まだ半人前、下級扱いです。

そのため夕霧は、六位の者が着る浅葱色(あさぎいろ、青緑色)の衣装を恥ずかしく思いました。

 

これまで夕霧を育てていた祖母の大宮はかわいそうに思います。それに対して源氏の君は

「名門の家の子だと実力が無くても、世間の人は内心ばかにしていても、ご機嫌とりをしてついて来ます。しかし時代が変わり権勢が他に移ってしまうと、そっぽを向かれてしまうのです。あの子には、しっかり学問をさせて世を治めるにふさわしい人物に育てようと思います。」

 

これは重要な所だけ、かいつまんでいます。原文では、源氏の君の↑のセリフに行数を多めにとっています。作者の紫式部先生もそう思っていたんでしょうか。

 

大宮は「なるほど、そこまでお考えでしたか...ただ、夕霧本人は、いとこ達より低い身分になったのを辛く思っているようですよ」

 

事実、夕霧は「なんでこんな苦労しなきゃいけないんだ」と思いますが、まじめな子なので、勉学に励んでいます。(続く)