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玉鬘5 事は慎重に運ばねば

久しぶりに六条院に出仕した右近。紫の上から「久しぶりね。こちらへいらっしゃいな」と呼ばれました。女房たちが沢山いる中、とりわけ気にかけて下さるのを右近は嬉しく思います。

源氏の君もやってきて「ひとり者が若返ったように見えるけど、里帰りの間に何かいいことでもあったのかい?」

「懐かしい方とお会いしました」「おや、誰かな?」

「...そのうちにお話します」右近、ここでは玉鬘の事は話しません。

 

右近は、厳密に言えば、今は紫の上の女房です。もちろん、源氏の君に古くから仕えている事は紫の上も知っていますが、直接の主人である紫の上に話さず勝手に源氏の君に話したら、ふたりで隠し事かと紫の上に疑われます。

それに、事情を知らない女房たちがわんさといる中で話す内容ではないと右近は判断したのでしょう。

 

源氏の君も、そこは理解したようです。(この時代、身分を問わず、相手のしてほしいことを考えて行動する能力が必要不可欠だったようです😅)

夜、寝る前に右近に脚のマッサージを頼んでそば近くに来れるようにしました。

「探し出した人とは、一体誰かな。尊い行者さまとでも仲良くなったのかい?」

「まあご冗談を。はかなく亡くなられた夕顔さまのお子さまです」

「なんと、それはあわれな事だ。でもここには事情を知らない人(紫の上)もいるしな」

「もう...わたくしは眠くて何も聞こえません」一応、紫の上の耳にも入りました。

 

その後、源氏の君は右近に、玉鬘を引き取るので準備をするように言います。(続く)