少女7 謎の建造物、六条院完成
何かと苦労の多い夕霧ですが、年明け二月に朱雀院を訪れた際に素晴らしい漢詩を披露したことで、秋の人事で五位をいただきました。
そして、秋には源氏一家に大きなイベントが。
中宮の亡き母、六条御息所(ろくじょうのみやすどころ)の屋敷を含めた広大な敷地に、四つの御殿を建てた六条院という屋敷が完成しました。
それぞれ春夏秋冬をモチーフにした御殿を造り、春は紫の上、夏は花散里、秋は秋好中宮、冬は明石の君が住まわれます。
ところで、この六条院、研究者の間ではあるナゾがあります。
六条御息所の屋敷は、東側を大通りに面していたとあります。しかし、六条御息所の屋敷だった秋の御殿の東側に、春の御殿があるとこの巻で書かれているのです。
ということは...秋の御殿と春の御殿の間に大通りがあるってこと?
つまり、六条院の中を大通りが走っているってことか?
首をかしげる研究者がいるのです。
私は単に、作者の単純ミスだと思います。もちろん、物語の中でも大通りが通っているなんて書かれていません。
次回から新しい章に入ります。