朝顔4 紫の上、ほったらかしにされる
執拗に朝顔の君を訪ねたり、朝顔の女房を自邸に呼んだりするので、紫の上はほったらかしにされています。
朝顔様は親王家の生まれで、私より立場の上の方。もし結婚となれば、私は第一の妻ではなくなってしまう。夫はいままでのように私を大切に扱ってくれるだろうか...
自分の立場が揺らいでいるのを痛感する紫の上。こんな心配もしています。
朝顔様のことが本気ならば「本気だ」と言ってくださればいいのに。なんでちゃんと話してくださらないのかしら?
朝顔の君にキッパリ断られて源氏が帰ってきた夜、紫の上は泣いていました。原文には、夫恋しさに涙がこぼれたとありますが、色んな不安もあったと思います。
源氏の君は「朝顔の君とは本気ではありません。私が物寂しい時に手紙を送るだけです。時々お返事が来ますが、色恋の話はありません。どうか心配しないでください」と、一日中慰めています。
当時の女性も、他の女性の所へ通う夫を、こんなふうにヤキモキしながら見ていたのでしょうか。
次回から新しい章に入ります。