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薄雲(うすぐも)1 娘の将来を考える1

この章は源氏物語の中でも大きな動きがある所です。

 

 

源氏の君は明石の君に都へくるよう言いますが、明石の君は渋っています。

「...それでは姫君だけでも都に来れないだろうか。紫の上も会いたいと言っています」

言う源氏も辛いけど、言われた明石の君はもっと辛い。薄々そんな話になるだろうと覚悟していましたが、胸がつぶれます。

 

「世間は私が生母とすでに知っています。いまさら高貴な方に育てられても仕方ないないのでは...」

「引き取られた後の扱いは心配しなくてもいい。あちらは子どもがいないのを残念に思っているんだ。もうすっかり大人になっている梅壺女御のお世話も、私がやりますと張り切っていたのだから。ましてこんなかわいい子を放っておくはずがない」

 

源氏の君が帰った後、明石の君は考えます。

「紫の上という方は、あれほど信頼を置かれている方なのだ。これから先の長い姫の将来はあの方にかかっている。それなら、物心つかない今のうちにお世話をお願いするのがいい」

「いいえ、やっぱり心配だわ。この子がいなくなった後、どうやって日々を過ごしていけばいいの。それに、この子がいなくなったら、源氏の君はお越しにならないかもしれない」

考えはまとまりません。すると、明石の尼君が助言します。(続く)