源氏物語を楽しもう‼️

源氏物語の魅力を目一杯伝えたいブログ

2020-01-01から1年間の記事一覧

横笛2 風流な時間と生活感いっぱいの我が家

秋になり、夕霧は落葉の宮を訪ねます。 月の美しい宵に夕霧は琵琶を演奏します。曲は想夫恋(そうふれん)。落葉の宮も感じいったところがあったのか、少し合奏します。 帰りに夕霧は、柏木が大切にしていた横笛を贈られます。当時、笛は男性の楽器でした。…

横笛1 あれから1年

柏木の一周忌がやってきました。源氏の君は法要のお布施に幼い薫の分ということで、黄金百両を送ります。 その薫は、よちよち歩きをする年頃になりました。 「きわだって美しい」と本文に書かれています。柏木はきわだって美しいという人ではなかったし、母…

柏木5 新たな恋の予感

柏木が最後に言ったことは、どういう意味だ?夕霧は考えています。 もうひとつ、変に思っているのは女三宮の出家。 一時は危篤まで陥った紫の上さまの出家すらお許しなさらなかった父上が、大した病でもなさそうな女三宮さまの出家を許されたとは... まさか…

柏木4 最後の願い

女三宮が出家してしまわれた...柏木はガックリとしてしまいます。 この時代の出家は、社会的な死ですから、柏木のショックは相当なものだったでしょう。 そんな折、柏木の親友で、源氏の君の息子の夕霧がお見舞いに来ました。 もう自分の最後は近いと思う柏…

柏木3 夫がだめなら、父に頼もう

女三宮の父、朱雀院は、娘が出産の後体調が戻らないと聞いて心配になり、ある夜そっと女三宮を訪ねます。 女三宮は、すでに出家して僧になっている父に頼みます。 「私の命は長くないかもしれません。こうしてお越しくださった機会に、お父さまの手で、私を…

柏木2 もう夫婦としてやっていけない

女三宮は出産した後、なかなか体調が戻りません。 しかし、夫の源氏の君はつれない態度です。昼間ちょっと顔を出すだけで、夜は泊まっていきません。女三宮の年寄りの女房たちは「なんと冷たいのでしょう。こんなに美しい若様が生まれたのに」と文句を言って…

柏木1 運命の子、薫誕生

私はどうして、道をあやまってしまったのだろう... 病床の柏木は涙がこぼれます。 光源氏の妻、女三宮と関係してしまったことが源氏にバレてしまい、「許せない」という源氏の態度に怖じけづいたあまり、病気になってしまった柏木。生きることをあきらめてい…

若菜 下10 妻を盗んだ男に会う

紫の上の急病と女三宮が妊娠して体調がすぐれない日が続いたことで延期になっていた、朱雀院の50歳のお祝いですが、12月になってやっと行われることになりました。 本番を前にリハーサルを行いますが、源氏の君は柏木を呼ぶことにします。彼は音楽や舞に…

若菜 下9 恋の罪

妻の女三宮が柏木と密通していたことを知ってしまった源氏の君。女三宮が妊娠したというのも、わたしの子ではなく柏木の子ということか。 こんな事を知ってしまった上で、今まで通りお世話しなければいけないのか。 女三宮を高貴な恐れ多い方とお世話してき…

若菜 下8 真実が明るみに出る

次の日、源氏の君は扇を探していると、見慣れない薄い緑色の手紙を見つけます。なんだろう? 開いてみると柏木の筆跡です。何の手紙だ?え...ちょっと待て、これは...! そんな源氏の君の様子を見た女房。源氏の君が読んでいる手紙の色、まさか柏木さまの手…

若菜 下7 ないしょの手紙

さて、女三宮は妊娠したようです。源氏の君は「長年連れ添った女性たちにそんな事はなかったのに、今頃こんな事があるとは」と思っています。 ↑...えーと、そうすると、源氏の君と女三宮はちゃんと男女の仲になっていたってこと?女三宮のことを幼いと思って…

若菜 下6 紫の上が...!

罪の意識におびえ、気分がすぐれない日々を過ごす女三宮。源氏の君も心配になって様子を見に来ました。 そこへ、二条院から「紫の上が息をひきとった」という知らせが。 急ぎ二条院に向かった源氏の君。 「もののけ(悪い霊)のせいで気を失っているだけかも…

若菜 下5 越えてはならない一線を、越えてしまった

柏木は自身の身分が高くなり、女三宮の腹違いの姉の女二宮と結婚しましたが、柏木は「女三宮さまと比べたら、自分は落葉を拾ったようなもの」と思っています。このことから、女二宮は落葉の宮と呼ばれています。 どうも柏木は、女三宮が朱雀院に可愛がられて…

若菜 下4 紫の上、倒れる

演奏会からほどなくして、紫の上は病に倒れてしまいました。 この時代、病気は悪い霊のしわざと考えられていたので、お坊さんによる祈祷が行われました。医者は一応いましたが、それよりはお坊さんです。 なかなか具合が快方に向かわないので、転地療養をし…

若菜 下3 出家の願い

このところ源氏の君は、紫の上と女三宮のところへ行く頻度が同じくらいになってきました。 女三宮には父の朱雀院に兄の今上帝(きんじょうてい)がついているのだから、粗略な扱いはできないのは当然、と紫の上は思います。 一方、自分は源氏の君の愛情しか…

若菜 下2 穏やかに時は過ぎていく、が...

それから数年後のこと。 冷泉帝は位を譲ると発表されました。 「残念ながら私には皇子がおらず、自分もいつまで長生きできるかわからない。位を譲ってゆっくりと過ごしたい」と思っていらっしゃるようです。 新しく今上帝(きんじょうてい)が即位され、時代…

若菜 下1 ねうねう

女三宮の姿を見た柏木は、せめてあのときすだれをひっかけて宮の姿を見せてくれた猫を手に入れたいと願います。 あの手この手を尽くして、例の猫を手に入れることができました。 柏木は昼も夜もこの猫の世話をしています。猫の方も、すっかり柏木になついて…

若菜 上10 これって運命?それともカン違い?

桜の季節になりました。春の御殿では若者たちが集まって「けまり」というゲームをしています。けまりは、みんなで輪になって鞠をリフティングする男性の遊びです。 ここは女三宮のお部屋の近く。女房たちが見物しています。でも、なんかみんな浮かれている感…

若菜 上9 自分は大した人間じゃないんだ...

年が代わって、明石の女御(にょうご)の出産が近くなってきました。 女御のお部屋は春の御殿にありますが、場所を変えた方が吉だということで、明石の君のお部屋がある冬の御殿に女御は移ります。 この冬の御殿、明石の君の母の尼君も住んでいらっしゃるの…

若菜 上8 夫の新妻に会う

明石の女御(にょうご)が里帰りしました。 紫の上は娘の女御に会う機会に、女三宮にも対面したいと源氏の君に言います。 この時代、身分の高い女性は自分の屋敷内であっても、自分の部屋を出るということはありません。 紫の上は、娘と言えど皇太子の妃にな…

若菜 上7 表面上は祝い事だらけ

女三宮との結婚を後悔する源氏の君。 「源氏の君の第一の女性」という立場は、いかに不安定な立場だったのかを思い知らされる紫の上。 二人の仲に静かに走る亀裂... 内面は暗雲が立ち始めた源氏の君ですが、表向きはお祝いムードです。 今年は源氏が40歳を…

若菜 上6 花嫁にがっかり...

さて、女三宮はどんな人なのかと言いますと 年齢は14歳ほどで昨年成人式をしたばかり。まだまだあどけない姫宮です。 衣装に埋もれている感じがするほど小さい方で、か弱く頼りない感じがします。 しかも、この年になってもお人形遊びが好きな方。(当時は…

若菜 上5 すれ違う夫の結婚の夜

年があけて源氏の君は40歳になりました。 千年前は現代と比べて寿命が短いため、40歳まで生きているのは「ご長寿」です。そのため、盛大にお祝いがなされます。 世間からすれば「源氏の君は昨年は位を降りた天皇に準ずる地位をいただき、今年は40歳の…

若菜 上5 覚悟の紫の上

一体どうやって紫の上に話せばいいんだ。私の愛が変わることはないと分かってくれるだろうか。分かってくれるまで、どんなに辛い思いをするだろう... 源氏の君、かなり苦心しています。しかし、話さないわけにはいきません。 「朱雀院から女三宮さまのことを…

若菜 上4 とどめの一撃

さて、源氏の君は、自分が女三宮の婿の最有力候補になっていることに戸惑っています。 「朱雀院はご自身に何かあった時のことを考えていらっしゃるようだが、私にしたっていつ何があるかわからない年なのだ。私に託したいと言われても...」 しかし、朱雀院は…

若菜 上3 婿というより保護者が欲しい

朱雀院は女三宮の結婚に関して、かなり慎重になっています。 「女性は結婚すると、悔しい思いやおもしろくない思いをどうしてもしてしまう。それに、皇女が男のことを知っているなんて軽々しいと思われるかもしれない。 それに、頼りの人に先立たれたり、身…

若菜 上2 あり得ない設定

朱雀院は弟である源氏の君の屋敷を訪れた後体調を崩し、出家を考えています。 後に残して心配なのは、母のいない娘、女三宮(おんなさんのみや)のことです。 女三宮の母は、先代の帝の姫宮です... 先代の帝の娘。これは、源氏の君が初めて愛した女性、藤壺…

若菜 上1 考察・源氏の君の結婚

源氏の君の兄、朱雀院は体調を崩し、出家して僧になることを考えています。 しかし、気がかりなのは母のいない娘、女三宮(おんなさんのみや)。彼女の将来をいろいろと考えた結果、源氏の君に託すことにしました。 「託す」と書きましたが、要するに結婚し…

第一部が終わって

さて、源氏物語は三部構成になっていると言われています。 これまでが第一部でしたが、これから読み始めても源氏物語は楽しめます。 登場人物いっぱいいますけど 主役の源氏の君と奥様の紫の上、息子の夕霧と娘の明石の姫君、今は皇太子の妃になったので明石…

藤裏葉4 栄華の極み

この年の秋のこと。源氏の君は准太上天皇(じゅんだいじょうてんのう)の位をいただきました。 太上天皇、つまり、位を降りた天皇に准ずる地位が与えられたということです。 源氏の君は幼い頃、外国の人相占い師に「帝になる相があるが、帝になると国が乱れ…