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若菜 上3 婿というより保護者が欲しい

朱雀院は女三宮の結婚に関して、かなり慎重になっています。

「女性は結婚すると、悔しい思いやおもしろくない思いをどうしてもしてしまう。それに、皇女が男のことを知っているなんて軽々しいと思われるかもしれない。

それに、頼りの人に先立たれたり、身分の低い者のうわさ話のタネにされてしまったりすることもあるし...」

 

娘はまだ幼い。源氏の君が紫の上を育てあげたように、この子を立派に育ててくれる人はいないだろうか...

↑どうやら朱雀院は、女三宮の婿というより保護者になってくれる方が欲しいようです。

 

 

ここから候補者の批評が始まります。

蛍宮(ほたるのみや)は女性に対して軽々しいところがあるから不安だ。

大納言は長らく私に仕えてくれたが、婿としては物足りない。

太政大臣(だじょうだいじん)の息子の柏木(かしわぎ)は熱心にお願いしている。家柄は問題ないが、本人の身分がまだ低い。

理想は源氏の息子の夕霧だが、彼は結婚したばかりだし...彼が独身の時に結婚を打診すればよかった。

 

すると、女三宮の乳母が「いっそのこと源氏の君ご自身はいかがでしょうか。今でも女性に関心があるようですし」

「いやいや、今でも女性に関心があるのは不安材料だよ」朱雀院はおっしゃいますが「親代わりとして譲ってしまおうか」と考えます。

 

そのほかにも朱雀院は、自身の息子に意見を聞いたり、源氏の君に近い家臣に源氏の様子を聞いたりしています。

ご子息は、女三宮と源氏の君の結婚に賛成しています。

家臣の話も悪くありません。

いよいよ朱雀院は、女三宮の婿を源氏の君に絞りました。

 

 

以上、朱雀院が婿選びに悩む様子をまとめましたが、本文ではかなり長々と書かれています。

私は、これにも違和感を覚えました。

 

朱雀院という方は、帝の位を退いてから、源氏物語の中では登場回数がめっきり減った方です。

それが、娘の婿選びに悩む様子がこと細かく書かれています。

 

私は、作者がこんなメッセージを送っているように思えます。

 

みなさ~ん、朱雀院はこんなに悩んで源氏の君を選びましたよ~

新しい女性が源氏の君のところに来ますよ~

しかも身分の高い女性ですよ~

だから、源氏の君と紫の上の間に割って入りますよ~

読者のみなさん、そのつもりでいてね~

 

 

さて、源氏の君は自身が女三宮の婿に選ばれたことをどう思っているのか。それは次回。