若菜 下7 ないしょの手紙

さて、女三宮は妊娠したようです。源氏の君は「長年連れ添った女性たちにそんな事はなかったのに、今頃こんな事があるとは」と思っています。

↑...えーと、そうすると、源氏の君と女三宮はちゃんと男女の仲になっていたってこと？女三宮のことを幼いと思っているのに...

紫の上も「お痛わしいので、見舞って差し上げてください」と言っています。

でも、紫の上、心の内はどうだったでしょう？

病気になる前は、夫が女三宮のところに通う頻度が多くなり、自分はどうなるのだろうと不安に思っていました。

まして、子どもが生まれたとなると女三宮の扱いはさらに良くなるはずです。紫の上の不安は大きくなると思います。

でも、本文にそのことは書かれていません。

一方、柏木は源氏の君が女三宮のところにいると聞いていてもたってもいられず、薄い緑色の紙に「私はこれほどあなたを想っている」と自分の思いをありったけぶつけて女三宮に送ります。

柏木も大胆なやつです。夫の源氏の君がいる時に、女三宮に手紙を送るとは。

女房がこっそり手紙を持って来ました。

「そんなもの見せないで。ただでさえ気分が悪いのに」女三宮は疎ましく思います。

そこへ源氏の君が来ました。女房に「早く隠してください」と言われ、女三宮はあわてて手紙を隠します。（続く）