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蜻蛉2 匂宮と薫の反応

匂宮は、浮舟からの手紙の内容を不信に思い、宇治に使者を送ったところ「浮舟が亡くなった」と知らせがきました。

「おかしい、ひどい病気を患っていたという話は聞いてないぞ...」匂宮は今度は腹心の従者を宇治に向かわせます。

 

従者は女房の侍従(じじゅう)に会いますが、侍従は「思いがけないかたちでお亡くなりになって、皆が夢ではないかと思っています。喪の期間が過ぎてから、またお越しください」と返事をします。悲しい内にも、まさか浮舟が失踪したとか、川に見投げしたかもしれないことは隠しています。

 

 

一方、薫は石山寺にお参りに行っていたところに、浮舟が亡くなったという知らせを聞きました。葬式も簡単に、急いで行ったと聞いて驚きます。

 

かつて愛した大君(おおいぎみ)に続けて浮舟も亡くなってしまった...

宇治はなんと嫌な土地なのだろう。鬼でも住んでいるのだろうか。あんな所に浮舟を放置しておくのではなかった。放っておいたから、匂宮も気安く近づいて来たんだ。

薫は自分のうかつさを悔やみます。

 

 

匂宮は匂宮で、浮舟が亡くなったと聞いて、2、3日経っても魂が抜けたような状態で、流し続けた涙がやっと収まった様子。周りの人は「何か悪い霊のしわざだろうか」と心配します。

お見舞いの人が沢山訪れる中、薫も行かない訳には行かないので、匂宮を訪ねます。

 

薫は最近、叔父を亡くしたので喪服を来ています。それがなんだか浮舟のためのようにも見えます。

「大した病ではないが、世の中は無常だと心細くてね」と涙をこぼす匂宮。薫が落ち着いているように見えて「浮舟の事は知っているだろうに、世の中の無常を知っている薫はこうも冷静でいられるのか」と思います。

薫は(匂宮は浮舟の事でふさぎこんでいるんだ)と推察します。

 

いろいろ世間話をしている中、こらえられなくなって薫は語ります。

「実は、亡くなった宇治の大君の姉妹にあたる方がいると聞いて、宇治で世話をしていました。その人があっけなく亡くなってしまいました...」

薫は初めて涙を流します。

 

匂宮「ちらっとそんな話を聞きました。どうお悔やみ申し上げればいいかと思っていました。」

薫「何かの機会に、あなたのお目にかけようかと思っていた人です。あなたの妻の、中の君の妹にあたる方ですから」←ちょっと匂宮に当て付けています。

 

「つまらない世間話をしました。どうぞお大事に」薫は帰ります。(続く)