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浮舟2 波乱の予感

お正月の行事が終わった頃、匂宮は親しい者を選んで宇治へ向かいます。

宇治の旧八の宮の屋敷に着いて、こっそりのぞきこんで見ると...いました。自分の屋敷で見かけた謎の女(浮舟)です。

 

皆が寝静まった頃を見計らって、戸をトントン。

あら、こんな時間に誰かしら?女房の右近が出てみると「明日出かける予定があると○○(薫の従者)から聞いたので、急ぎ来たのだ」との声。いい香りもするし、薫さまだわと右近は思います。

 

さらに、「途中でえらい目にあって、ひどい格好になっている。明かりは暗くしてくれ」と言われたので、右近はきちんと確認できません。

 

すっと浮舟の寝所に入る匂宮。浮舟も最初、薫だとしか思っていませんでした。相手が匂宮と気がついた時は、時すでに遅し...ふたりは一夜を共にしてしまいました。

 

 

翌朝、匂宮は右近を呼んで「今日は帰りたくないな~」なんて言います。

えっ、匂宮さまだったの!?右近はやっと人違いと気がつきます。

しかし、もうどうしようもありません。とにかく、匂宮がいる事を隠さなければいけません。

 

他の女房には、「昨夜、浮舟さまは月のさわり(生理)があったのと、不吉な夢を見たので、今日のお出かけは中止です。部屋でつつしまなければいけません」と言い、さらに「殿は、こちらに来る途中ひどい目にあったので、こっそり衣類を届けて欲しいとおっしゃっています」と言っておきました。事態が事態なので「長谷寺の観音さま、今日一日を無事に過ごせますように」とお祈りしています。

 

一方、匂宮は浮舟と楽しく過ごしています。男女が寄り添う絵を描いて「この絵のように、いつもいっしょにいたいですね」なんて言っています。

 

ほんの少し逢わないだけでも死んでしまいそうなほど、恋い焦がれています。匂宮の情熱的な言葉に(この方はなんと、情愛が深いのだろう...)と浮舟はときめいてしまいます。

匂宮は翌日帰って行きました。

 

匂宮とも関係を持ってしまった浮舟。しかも匂宮に心動いてしまった様子。

今後どうなってしまうのか...(続く)