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総角5 外出禁止令

当時の結婚は、男が女の家に通うスタイルで、3日連続で通えば結婚成立でした。匂宮(におうのみや)は中の君の元に3日通ったので結婚成立です。

 

しかし、都から宇治はとても遠い。匂宮は母の后から外出を諌められます。でも匂宮は頻繁に通えずとも中の君を大切にしています。都の美人を見慣れた匂宮であっても、中の君は素晴らしいと思える女性でした。

 

一方、大君は、老いた女房たちが中の君と匂宮のご縁にウキウキして、おめかししたり化粧したりしている様子を見て「私も女盛りを過ぎた身。1、2年もすれば、あんな風になるのだろう」と思い、そんな自分が薫といっしょになっても、後で気まずい思いをするだけ、と思います。

 

 

なかなか宇治に行けない匂宮の事を考えて、薫は宇治に紅葉狩りに行くことを提案します。目的はもちろん、中の君に会いに行くこと。

しかし、お忍びで行くはずが「匂宮が紅葉狩りに出かける」と話が広まってしまい、「お供します」という人が増えてしまいました。

 

結局、中の君の所には行けないまま都に帰った匂宮。

中の君は匂宮が近くまで来てくださったのに、こちらは素通りというのが哀しく悔しく思いますが「きっと事情があるのだ」と自分をなぐさめています。

その後、匂宮に外出禁止令が出てしまい、匂宮は中の君に会えなくなりました。

 

大君は匂宮のありさまを見て「私ももし薫さまといっしょになれば、しばらくしたらほったらかしという情けない目に会うかもしれない。女房たちが、私と薫さまをいっしょにしようと画策しているみたいだし、油断できないわ」と思います。

 

そんな目に会う前に死んでしまいたい...大君はだんだん体調を崩していきます。(続く)