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椎本2 薫、想いを打ち明ける

山寺に参った八の宮は体調を崩し、旧暦8月20日にこの世を去ってしまいました。

姫君たちは「せめてご遺体を一目見たい」と申し出ますが、断られてしまい、山寺の僧を恨めしく思います。

 

薫はすぐ弔問に訪れました。弔問に来てくれた薫の心を、姫君たちはありがたく思います。

匂宮も弔問の手紙を送りますが、返事はありません。いつも手紙を書いている中の君は、返事を書く気になれないようです。

 

歳末に薫は宇治を訪れます。姉の大君(おおいぎみ)と話していたところ、匂宮について薫は話しました。

「匂宮は好色な人だと言われたいますが、情の深いところがある方です。一声かけただけで、すぐになびくような女は軽蔑しているようです。私は、宮さまがそのつもりなら、京と宇治を橋渡ししようと思っています」

 

「どういったことなのか、よく分かりません」大君はおっとり答えます。

 

「今の話は、あなたさまの事ではありません。あなたには私が...。こうして雪を踏み分けて参りました私の想いは軽くないことを、分かっていただけたらと思います」

 

...えっ、薫さまは私のことを色目で見ていたの!?父上からの縁で、こうして来てくださっていると思ったら、そんな下心があったとは...

 

不快に思った大君は返事をしません。その後も薫は想いをほのめかしますが、大君はわからないふりをして流してしまいます。

そんな大君を「女性として理想の振る舞い」と評する薫。

ふたりの仲はどうなるでしょうか。それは次の章で。