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浮舟(うきふね)1 女好きの執念

屋敷でちらっと見かけた謎の女(浮舟)が忘れられない匂宮(におうのみや)。あれ以来、謎の女を屋敷で見ることはありません。

 

匂宮は妻の中の君に「あの女を隠してしまったのでしょう。嫉妬しているのですか?」などと言っています。

(浮舟の事を、きちんと話した方がいいのだろうか)と中の君は思いますが、(いや、女好きのこの人には話せない。女房でも気に入った人だったら宮様は実家まで追いかけるんですもの。薫さまが大切にしたいと思っているなんて聞いたら、なおさら放っておかないわ)と慎重になります。

 

その薫ですが、浮舟は用事のついでに逢いにいくという感じで、ちょっとほったらかしにしている感もあります。

浮舟は待ちくたびれているかなぁと思いつつ、のんびりと構えています。

 

 

そして、お正月を迎えました。

匂宮が中の君の部屋にいると「宇治から手紙が来ました」との事。

宇治?薫はよく宇治に行っているけどまさか薫からの手紙か?匂宮、ひょいと手紙を取ります。

「私が読んではいけない手紙かな?」「そんなことありませんわ」

 

手紙には「時々そちらを訪ねてはいかがですかと勧めていますが、そちらで恐ろしい出来事があったので、気が進まないようです」

恐ろしい出来事?...分かった、あの謎の女に近づいたことか!匂宮、ピンときてしまいました。

 

自分の部屋に戻った匂宮、(あの謎の女が宇治にいる事と、薫が宇治に通っていることは関係あるのだろうか)と、薫の内情に詳しい家臣を呼んで聞いてみます。

すると、「去年の秋から女性を隠して住まわせているそうです」

 

ふーん、そうか、あの謎の女は薫の女かもしれないのか。ならば、なんとしても確かめたい。薫が夢中になっているのなら、並の女ではないはずだ...

(続く)