宿木5 そっくりだ!
年が明けて、中の君は男の子を出産しました。
薫や匂宮の母の后が盛大にお祝いをします。
これまで不安定だった中の君の立場ですが、「匂宮の第一皇子の母」と認められたようです。
2月、薫は今上帝(きんじょうてい)の女二宮(おんなにのみや)と結婚。
女二宮はさすが皇女というだけあって素晴らしい方ですが、薫はやはり宇治の大君(おおいぎみ)を忘れられずにいました。
4月、薫は宇治を訪れます。
ちょうど、薫がいる館にやってきた方がいました。なんと、中の君が話していた女性です。
顔が見られるだろうか...薫はこっそり部屋をのぞきます。
あっ...!
気品のある目もと、髪の生え際、まるで大君そっくりだ!
思わず涙がこぼれる薫。
この女性は浮舟(うきふね)と呼ばれていました。
薫は中の君に仕えていて、今は宇治に住む尼に、浮舟との仲立ちを頼みます。
薫と浮舟、新たな恋の始まりとなるでしょうか。
話の続きは次の章で。