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真木柱4 奥様、実家に帰る

私が心配した通り、大将の衣装は焼け焦げて穴が開いてしまったそうです。本人はやけどしていないようですが😅

 

さて、奥様は夫が玉蔓と結婚してあまり家に帰って来なくなってしまいました。

それを聞いた奥様の父の宮様は「辛い思いをしているより、こちらへ帰っていらっしゃい」と言っていました。

 

いまさら帰るなんて...と思っていた奥様ですが、先日の大将灰まみれ事件以降、夫はまったく帰って来なくなったので、子どもを連れて実家に帰る決意をします。

 

大将と奥様には長女の姫君と二人の弟の三人の子がいます。

姫君は父親に別れを言わずに屋敷を去るのがイヤで「私は行かない」と抵抗しました。しかし、いつまでもそうはいきません。

仕方なく、いつも寄りかかっていた柱の割れ目に、別れの歌を書いた紙を差し込んで屋敷を後にしました。

(この事から、この姫君を真木柱の君と呼んでいます)

 

 

奥様が実家に帰ってくると、奥様の母上で紫の上の継母がところかまわず当たり散らしています。

「源氏の君はよい親戚と思っていましたが間違いでした。紫の上を大切にするなら、その親族だって大切にしてくれてもいいものを。どこの馬の骨ともしれない娘を養女として引き取って、自分が手をつけた罪滅ぼしに真面目な大将に押し付けるとは!」

 

口に任せてキーキーと言いますね~。自分たちは源氏の君が苦しい時に支援しなかったのを棚に上げて。

作者も「性格の悪い困った人」と言ってます。

 

 

一方、大将は奥様が出ていったと聞いて、あわてて奥様の実家へ行きました。

奥様に会いたいと言ってもかないません。子どもたちに会いたいと言ったら、男の子は構わないと言われました。

この時代、両親が別れたら男の子は男親、女の子は女親が引き取るものでした。

そのため大将は姫君に会うことは叶わず、男の子二人を連れて自宅に帰りました。(続く)