源氏物語を楽しもう‼️

源氏物語の魅力を目一杯伝えたいブログ

真木柱(まきばしら)1 急転直下

「このことが帝の耳に入ったら恐れ多いことだ...しばらくこのことは人に話すな!」

源氏の君、かなり狼狽しています。

何事かというと

 

玉蔓、結婚することになりました。

 

いや、正確には、結婚せざるを得なくなったといいますか。

相手はひげ黒の大将です。

 

玉蔓の女房で、ひげ黒の大将が懇意にしている女房が、大将を玉蔓の部屋に入れてしまったのです。

 

これは大変なことです。

玉蔓が任命された尚侍(ないしのかみ)は女官と言えど帝の愛を受ける立場。帝のモノになる女性に手を出したのですから...

 

でも、大将は隠すつもりはありません。

それに、いつまでも事実を隠したまま宮仕えをさせるわけにもいきません。結婚の儀式は執り行いました。

 

大将は玉蔓が理想的なまでに美しくのを満足して「他の男のものにしてしまうところだった」と、石山寺の仏様と手引きした女房を並べて拝みたいくらい有頂天になっています。

一方、玉蔓は不本意な結婚にしょんぼりしていて、大将に打ち解ける様子はありません。

 

玉蔓の実の父、内大臣(ないだいじん)は「この結婚はかえってよかった。我が家からはすでに帝の妃がひとり出ているのだから、宮仕えといっても苦労が多いだろう」と言っています。

 

冷泉帝もお話をご存じになり「残念だけど、一般の女官として仕える分には問題ない」とおっしゃいました。

 

 

しかし...前回も書きましたが、ひげ黒の大将の奥様は、源氏の奥様、紫の上の姉です。

源氏と紫の上の実家が仲良くないのに、源氏の養女の玉蔓とひげ黒の大将が結婚してしまいました。

波乱が起きないはずがないと思います。(続く)